デジタルサイネージは、広告としてかなり効果が上がるといわれますが導入するにはまずシステムを選ばなくてはいけません。どのようなシステムがあるのか、効果はどう違うのかを知って一番フィットするシステムを選びましょう。

スタンドアロン型システムのデジタルサイネージ

サイネージシステムの中で、スタンドアロン型は最も使いやすく費用も抑えられるデジタルサイネージです。まずはスタンドアロン型のデジタルサイネージについて、魅力や特徴を知っておきましょう。

スタンドアロン型とは

スタンドアロンとは直訳すると「孤立」という意味で、孤立しているシステムのことを言います。デジタルサイネージのディスプレイが、ネットワークに接続しない状態で情報を配信します。コンテンツはUSBやSDカードを使って、パソコンから本体に画像や動画を取り込みます。
看板やポスターが担っていた情報を、デジタルサイネージのスライドショーで格好良く流すイメージ。コンテンツの編集は専用のソフトを利用すれば比較的簡単に作れるので、専門知識がなくても簡単に操作が可能です。また、回線の手間もかからずネットワーク回線の知識がなくても簡単に導入できます。
室内用のものなら10万円程度で購入でき、ランニングコストもかからないのでコストパフォーマンスが高いことも特徴です。

スタンドアロン型のメリット・デメリット

スタンドアロン型の魅力は、シンプルなこと。使い方が分かりやすいので、スタッフを教育する必要もなくたいての方が使いこなせます。効率的に広告するために使っているのに、運用するのに時間がかかっていては、効率的とはいえません。しかし複雑な機能のないスタンドアロン型なら使いこなしやすいため、常にベストな状態を維持することができます。
また、ネットワークを必要としないために以下の費用を抑えられます。

外部機器購入費
ネットワーク配線工事費
サーバー利用料

費用を抑えながら、繰り返し静止画や動画を流すことでお客さんの目を引けることがスタンドアロン型の魅力。ただ、拡張性がないため、将来ネットワーク型にしたい場合には機種の買い替えが必要です。

スタンドアロン型はこんな方におすすめ

使いこなしやすいスタンドアロン型は、以下のような方におすすめです。

1台で利用している
月に1回程度しか情報を変更しない
なるべくコストを抑えて運用したい
高度な機能を必要としない

あまり煩雑にコンテンツを変更する必要がない場合は、初期設定費用も抑えられ、運用も楽です。看板やポスターよりもおしゃれな広告がしたいけど、それほど手間や費用をかけたくない方におすすめ。あまり手間をかけずに置いておくだけで収益アップが狙えます。
設置の手間もかからず、一度設置してしまえば費用もかかりません。また、情報の更新も1台ならそれほど手間がかからないので、デジタルサイネージが1台あれば十分な小規模な企業での運用に向いています。

ネットワーク型サイネージシステム

インターネットが必要なサイネージシステムです。遠隔操作で管理するものが主流なので、複数のデジタルサイネージを設置している場合に向いています。ネットワーク型のそれぞれのシステムの種類を把握しておきましょう。

クラウド型システム

クラウドサーバーを通して、複数の拠点のデジタルサイネージを遠隔操作によって管理するシステムです。配信スケジュールの管理が簡単にできるため、柔軟な配信が可能なことが大きなメリット。遠隔地からでも朝・昼・夜など時間帯により内容を変えながら表示することができます。
クラウド型はサーバーを必要としないため、サーバー利用料がかからないことも特徴。サーバーの構築や管理もいらないので、比較的低コストで運用することができます。

オンプレミス型システム

クラウド型との大きな違いは、サーバーを通して配信すること。パソコン端末から直接ディスプレイに接続するのではなく、LANを通じてコンテンツを配信します。自社に専属のサーバーを必要とするため、初期費用が高額になる点がデメリット。サーバーの管理にも時間や手間・費用がかかります。
オンプレミス型のメリットは、インターネットがなくても使えることです。ネット回線がないため、セキュリティーの面でも安心。外部に情報を漏らしたくない場合におすすめです。自社のサーバーで独自のコンテンツにカスタマイズしやすいため、自由にコンテンツを変えたい場合にも向いています。
複数の拠点を持つと管理が大変になってしまいますが、1つの拠点なら管理がしやすいシステムです。

エッジコンピューティングを利用したシステム

システムが大きくなっていくと全てを遠隔操作にすると効率が悪くなる場合があります。そのデメリットを補うために考え出されたシステムが、エッジコンピューティングです。
全ての情報処理をクラウドで行うのではなく、デジタルサイネージを使っている現場でできる処理は行うというもの。例えば、商品の品薄状態をサーバーに送らずに現場で表示することで、現場ですぐにアラートを表示して商品を追加するといったことができます。
インターネットを介してデータの処理を行うことで起きていたタイムロスを防ぐので、飲食業界や小売業などスピーティーな対応が求められる現場に向いています。

デジタルサイネージシステムi clip viewer

PCのエクセルのみでデジタルサイネージを配信できるシステムです。エクセルを使えれば誰にでもできるため、新しいシステムの使い方を覚える必要がありません。デジタルサイネージで、システムの使い方を覚えるためにかかってしまう時間を短縮することができます。
ローカルネットワークを通して、エクセルで作ったコンテンツを離れた場所からでも配信することができるので便利。テンプレートが豊富に用意されているのでコンテンツの作成が楽にできます。簡単にオリジナルのコンテンツでデジタルサイネージを運用したい方に、最適なシステムといえるでしょう。

インタラクティブ型サイネージシステム

近年、インタラクティブ型のサイネージシステムも注目されています。ただビジュアル的に訴求するだけではなく、相手の興味などを分析し相手に合わせた情報を提供するシステムです。インタラクティブ型の特徴を押さえておきましょう。

インタラクティブ型とは

利用者の動向に応じてリアクションするシステムを持つものです。AR(拡張現実)を利用し、サイネージに装着されたマイクやカメラで相手を認識するシステム。使っている人は、まるでサイネージとコミュニケーションしているような感覚に陥ります。
従来のデジタルサイネージよりも対話能力が高まったシステムで、楽しみながら使えます。相手の動きに反応するものもあり、動きに合わせて表示される内容が変わるものは、多くの方の視線を引き付けます。

インタラクティブ型の事例

成田空港のinfotouchでもインタラクティブ型が運用されています。infotouchでは、搭乗券のバーコードを読み込ませると搭乗口までの道案内をしてくれます。それぞれのお客様に合わせた案内をしてくれることで顧客満足度がアップしています。
また、顔を認識する自動販売機もあり、認識した客層に合わせたおすすめのドリンクが表示される機能も注目されています。進歩し続けるインタラクティブ型は、日本の将来を変えていくことでしょう。

インタラクティブ型サイネージシステムのメリット・デメリット

インタラクティブ型の一番の魅力は、楽しみながら使えること。従来の誰にでも同じ情報を流すものと異なり、自分に合った情報が得られることが楽しみの理由といえるでしょう。服を選んで試着せずとも、前に立っただけで試着した自分が映し出されるものなど、使って楽しめるものが人気を高めています。
少しでも興味を持った顧客を引きつけて、データを蓄積しながらマーケティングに生かすことができます。ただ、ランニングコストが高額になるため時間を区切ってインタラクティブ型にする方法も出てきました。普段は通常の広告を流し、時間になったらインタラクティブ型に変える方法ならコストを抑えながら運用することができます。

何を提供したいのかで選ばれるサイネージシステム

デジタルサイネージには、シンプルでおしゃれなスタンドアロン型、リアルタイムの情報が手に入るネットワーク型、使って楽しいインタラクティブ型など多くのシステムが存在します。各システムのメリット・デメリットを踏まえ、ターゲットに最も適したサーネージを効果的に利用しましょう。