デジタルサイネージを導入する際にポイントとなるのがモニターです。どんな広告をうちたいかによって適したサイズは違いますし、屋内と屋外ではモニターの見え方も異なります。この記事ではデジタルサイネージのモニターの選び方について、サイズや設置場所に着目して紹介します。

デジタルサイネージのモニターの選び方【種類編】


デジタルサイネージ用のモニターを選ぶ時に直面することが、「そもそもデジタルサイネージ用モニターってどのような種類があるの?」という点です。まずはモニターの種類について簡単に紹介します。

スタンドアローンタイプ


作成した広告媒体(コンテンツ)をUSBメモリ―などに入れて、それをモニターに直接挿入して再生するタイプです。これは最も操作や導入が簡単なタイプをされています。その理由は、ネットワーク環境や専門システムが必要ないからです。

スタンドアローンタイプ導入に必要なのは、モニターとUSBメモリなどの記憶メディア飲みです。必要であればモニターを立てるためのスタンドも用意します。

スタンドアローンタイプのメリットは、操作が簡単なことや安価で導入ができる事です。その反面、掲載内容を変更する場合は、USBデータを書き換えるなどの作業が必要で少し面倒です。このタイプははじめてデジタルサイネージを使用する方や、お試しで簡単にデジタルサイネージを導入したい方に選ばれています。

ネットワークタイプ


スタンドアローンタイプがUSBメモリーなどを使用してコンテンツを流すのに対し、ネットワークタイプはクラウド上にアップしたコンテンツを、ネットワーク経由で流します。
ネットワークタイプの導入には、モニターやスタンドに加え、STBと呼ばれるネットワークからコンテンツを受信するための端末やWi-Fi環境も必要となります。そのため、導入費用はスタンドアローンタイプよりもかなり高くなってしまいます。

しかしネットワークを使ってコンテンツの差し替えができるので、更新やメンテナンスの手間が少ない点は大きなメリットです。一般的に、最も多く導入されているのがこのネットワークタイプといわれています。

双方向タイプ


上で紹介した2種類よりもさらに高性能なのが、双方向タイプと呼ばれるモニターです。スタンドアローンタイプやネットワークタイプは、モニターが一方的に情報を流し続けます。対して双方向タイプは、タッチパネルなどの操作により、コンテンツを見ている側の人からもアクションを起こすことができる点が大きな違いです。

ショッピングモールなどで、タッチパネル式の店内図を自分で操作したことはありませんか?このように、見ている人が自分の欲しい情報を検索できるため、広告効果は非常に高きくなります。さらにハイテクなものでは音声認識や顔認証機能がついているものもあり、日々進化し続けています。

高性能だからこそ、ネットワークタイプよりもさらにコストがかかります。自社の広告の内容をしっかりと検討し、本当に双方向タイプが必要か考えた上での導入がおすすめです。

テレビモニターの使用


デジタルサイネージ導入の費用を少しでも抑えるために、テレビモニターを使用したいと考える方も多いのではないでしょうか。もちろんテレビモニターをデジタルサイネージ用モニターとして使うことはできますが、可能であればデジタルサイネージ用モニターを購入した方が良いです。

その理由には「耐久性が弱い」「縦横設置ができない」「明るさが弱い」などが挙げられます。また、費用を抑えるためにテレビモニターを使ったのに、機種によっては設定にかかる導入費用が割高になってしまうパターンもありますので注意しましょう。

デジタルサイネージのモニターの選び方【サイズ編】

デジタルサイネージのモニターにはさまざまなサイズがあります。しかしインチ数で言われてもあまりピンとこないことが多いかもしれません。それぞれのシーンに適したサイズ感や用途について詳しく紹介します。

街中や駅中では50インチ以上がおすすめ

大型の駅に設置されているバス案内や、病院の待ち時間案内などに使われているのが50インチ以上の超大型サイズです。具体的なインチ数としては、55インチや75インチが多い傾向にあります。

55インチは121.76cm×68.49cm、75インチは166.04cm×93.39cmとなっているので目安にしてくださいね。多くの人が行き交うような場所では、少しでも目立たせて人々の注目を集めるべきです。駅や街中でデジタルサイネージの広告をうつ際は、50インチ以上のものを選びましょう。

店舗や病院で見かける40インチから50インチ

駅や街中に置かれている50インチのものは確かに目立ちますが、コストがかかります。また、遠くから見ることを想定しているので、近くで見せるのにはあまり適していません。

もし店舗内や病院の待合室などでの使用を考えているのであれば、40インチから50インチのものを選びましょう。40インチから50インチの範囲でよく使われるのは、42インチや46インチ。ちなみに42インチは92.98cm×52.3cm、46インチは101.83cm×57.28cmです。

主な用途としては、イベント案内や病院の呼び出し番号表示などが多いです。

POPとして使うなら7インチから20インチ


こちらはスーパーのおすすめ品の側に置いたり、美容室のミラーの横においておすすめトリートメントの宣伝を流すなど、もし小さいサイズのものがあれば導入したい方も多いかもしれません。

デジタルサイネージのモニターの中には、20インチ以下の小さいものもあります。よく使用されるのは7インチで、具体的なサイズは15.1cm×9.4cmです。ここまでで紹介したモニターの中でもかなり小さめですが、低コストで運用できる点がメリットです。

デジタルサイネージのモニターの選び方【屋内外編】


デジタルサイネージのモニター選びは、屋内・屋外どちらで使用するのかにも注目したいところです。屋内・屋外それぞれのパターンを想定し、どのような点に注目して選ぶべきかを見ていきましょう。

屋外での使用を想定している場合


屋外での使用を想定しているのなら、画面の明るさに注目しましょう。屋外では太陽の明るさに負けてしまうので、屋内用よりもさらに明るい画面でなければ見えづらくなってしまいます。ここで基準となるのが「輝度(きど)」と呼ばれる明るさの基準です。

目安としては1200カンデラ以上の、非常に高いものを選ぶようにしましょう。ちなみにパソコンモニターの輝度は約250カンデラ程度とされているので、屋外用モニターにかなりの明るさが必要だとわかります。

また、屋外で使用する際には雨や風に強いかどうかも判断基準の一つとなります。雨や砂嵐でいちいち故障してしまっていては、メンテナンスにも莫大な費用がかかるので、防水・防塵機能は必須です。

屋内での使用を想定している場合


屋内で使用するのであれば、屋外用で必須と紹介した防水や防塵の機能は不要となります。さらに、屋外のように太陽の光が明るすぎてしまう事もないので、輝度が低くても問題ありません。

屋外用の輝度が1200カンデラに対し、屋内用であれば700カンデラ以上であれば充分です。
屋外用と比較しても、安価で導入できるため、とりあえずデジタルサイネージを取り入れてみたいと考えている方には、屋内用から挑戦するのがおすすめです。

適したデジタルサイネージモニターを選ぼう!


広告の内容や設置場所によって、適したモニターは異なります。「どのような用途での使用を考えているか」「どこで使用する予定か」などを基準に考えると、より効果の高いデジタルサイネージ用モニターが選べます。状況に適したモニターを選び、デジタルサイネージを便利に活用しましょう!