デジタルサイネージの導入を検討する際、同時に検討すべきシステムのひとつにCMSがあります。CMSとは、サイネージに映すコンテンツの管理・運用をするシステムで、複数のサイネージや多くのコンテンツを管理する際に役立ちます。ここでは、実際にどういったものか、メリットや導入方法などを解説していきます。

そもそもデジタルサイネージにおけるCMSとは?

デジタルサイネージで使われるCMSですが、そもそもはwebコンテンツの更新に使われているものです。まずはCMSというシステムについて見ていきましょう。

コンテンツを管理するCMS

CMSとは「Contents Management System」の略です。文字通り、配信するコンテンツを管理するためのシステムですが、もともとはwebサイトの管理に使用するものでした。webサイトもデジタルサイネージも、CMSによって複数のコンテンツを更新・管理ができます。

デジタルサイネージ用CMSはコンテンツの再生時間や順序の設定、機材が作動しているか監視ができます。

デジタルサイネージで利用するCMS

デジタルサイネージで使用するCMSは、使用するコンテンツを時間設定通りに切り替えたり、コンテンツを更新したりと運用に便利なシステム。webシステムとは多少異なります。

多くのサイネージをひとつひとつ更新していくのは膨大な時間がかかり、不便です。

CMSはネットワークでそれぞれのサイネージとつながっており、管理している台のコンテンツを一度に更新、また個別でそれぞれのコンテンツを更新できます。お休みの期間中でも簡単にコンテンツの配信スケジュール通りに動くので、サイネージ管理には欠かせないシステムといえます。

CMSを利用するとどんなことができるか

では、CMSを使用するとどんなことができるのでしょうか?

たとえば、〇日の〇時から、一斉に新商品の紹介をしたいとしましょう。複数の店舗がある場合、それぞれのサイネージを動かしてその商品のコンテンツを流さないといいけません。

ですがCMSを使えば休みの日や夜など、スタッフが動けない場合でも予約さえしていればコンテンツを更新してくれます。

CMSは仕様によって異なりますが、多くはパソコンで簡単に操作できます。インターネット環境さえあればいつでもどこでもコンテンツを更新できるため、コンテンツの担当がたとえ一人でも十分管理が可能です。連動してSNSの更新も可能となっており、忙しくても使いこなせるシステムです。

デジタルサイネージのCMS活用におけるメリット

デジタルサイネージのコンテンツを運用していく際、CMSを導入するとどのようなメリットがあるのでしょうか。

各種コンテンツの配信が容易に

CMSを使用すれば、各種コンテンツの配信が容易になります。

動画や静画はもちろん、中にはwebやSNSなど他のコンテンツから得た情報をもとに画面に表示することもでき、思った以上に多くの機能で役立つと感じる方も多いです。スケジュール設定も可能なため、〇時にこれを流す、〇日になったらこのコンテンツ…と自分たちが設定した通りに配信できます。手動よりも信頼性が高く、遠方にある機材でも総合してコントロールできるのがメリットです。もちろん、それぞれの店舗で異なるコンテンツを配信するのも可能。顧客の反応を見てすぐ微調整ができるというのも大きなメリットになります。

別アプリやHPなどの情報も連携できる

SNSなど様々な媒体から情報をまとめて配信することが可能なので、多くの情報を二重編集不要というメリットがあります。ひとつのコンテンツを編集すれば、それをデジタルサイネージで活用できるため手間が大きく省けます。

それぞれを編集するとどうしても見落としなどが発生しがちですが、CMSがあればひとつを編集して一括ですべての配信を変更でき、整合性も取れるため作業の時間のみならず、チェックの時間も短縮できます。

各会社での違いはあるか

CMSですが、取り扱っている会社によって大きな違いはあるのでしょうか?

各社、機能的には大きな違いはありません。ですがそれぞれ操作感や価格、扱いやすさなどには差がでます。自社のコンテンツやそれらの修正方法、また更新頻度によって最適なサービスを選びましょう。

例えば、スマホやタブレットで更新の設定ができるか、複数人で管理する場合それぞれの権限を制限できるか、複数の機器からログインができるかなど、細かいことが直接の使用感につながります。担当スタッフがどのくらい必要か、変更はどういう手順で行われるか…十分に検討してからCMSを選定するのがいいでしょう。

デジタルサイネージのCMSを導入するには

では、実際にCMSを導入するにはどういった手順が必要なのでしょうか。自社のコンテンツを理解し、比較検討することが重要になります。

CMSを導入するには

CMSを導入する前に、サイネージで扱うコンテンツの整理が重要です。ターゲットは誰か、コンテンツを流すことで期待している効果は何か。ターゲットに期待する行動は誰なのかなど、自分たちが活用するものをしっかりと整理しておきましょう。もちろん、その情報を今後更新するのは誰か、どのくらいの頻度で更新するかも明らかにしておきましょう。

コンテンツの整理と共に、各社のシステムの比較検討が重要です。どんなコンテンツをどれくらい流すのか、また更新を担当する「人」がどの程度扱えるかによっても最適なシステムは異なってきます。

CMSを導入した場合、価格は?

CMSを導入する場合の価格ですが、基本料+ライセンスの数だけ金額がかかるのが一般的。登録のサイネージ台数、ライセンス数、どれくらいの台数を一括で管理するかがポイントになります。

また、価格によって素材をどれくらい一度に登録できるかが異なります。総コンテンツ数やデータの大きさによって制限されることもあり、より多くかつ大きなものを扱うと金額が上がる設定をしているケースも。

CMS導入の際チェックしておくこと

CMSを導入する際は、「自分たちのコンテンツがどういうものか」「どれくらいの更新頻度で、どんな人が更新設定するのか」など自社の状態に合ったシステムを検討するのが重要です。容量が足りなかったり、更新が難しくなってしまってはせっかくのサイネージも効果にうまくつながりません。

また、更新するコンテンツがどれくらい訴求力を持ったのかが分析できるかどうかもポイントです。どのコンテンツをどれくらいの頻度で流して、そしてそれが売り上げにどうつながったか。今までの広告の代わりとしてただ流すのではなく、次につなげることができるのがデジタルサイネージです。CMSでスケジュール管理をし、訴求力を高めましょう。

管理・運用に役立つCMSを活用しよう

デジタルサイネージ運用におけるCMSは、コンテンツの管理に非常に重要な役割を担います。特に、複数のコンテンツ・複数の機材の管理を簡単にしてくれるため、価格や機能を比較しつつ導入を検討してみてはいかがでしょうか。