日本国内でも街中や駅などの公共スペースに少しずつ普及しているデジタルサイネージ。海外では地下鉄交通広告や公共のポスターなど、動画ならではの工夫溢れるデジタルサイネージ動画を見かけます。アイデアをプラスすれば広告から商品の販売につなげられ、古い広告の貼り換えの手間がなくなるデジタルサイネージ動画の魅力やメリット、具体例、費用目安などを紹介します。

デジタルサイネージ動画の魅力とメリットは?

デジタルサイネージ動画は地下鉄やバス停、大きな交差点など待ち時間を利用して、一度の再生でたくさんの人へ商品の魅力を伝えられる便利なツールです。また静止画や紙ベースの場合は、広告を見る側から自ら見たり、読んだりする必要があります。しかしデジタルサイネージ動画の場合は、広告を見る側は受け身の状態で広告内容を観て聞き流せるのが魅力です。

メリット1.注目されやすい

デジタルサイネージ動画は、ポスターのような静止画より注目されやすいメリットがあります。デジタルサイネージ動画は高画質の動画と音声を使って情報を届けられるため、街などを行き交う人たちにも情報が伝わりやすいのも特徴です。惹きつける動画を流せば足を止めて視聴する人も多くなり、企業のマーケティング戦略として有効なツールになるでしょう。

メリット2.最先端の機能を使える

デジタルサイネージ動画のメリットふたつ目は、動画を駆使して最先端の機能を活用できること。例えば、大型商業施設など人が多く集まる場所にカメラが付いたディスプレイにカメラを設置して、人の顔や姿を認識して流す動画を変えるものや、コスプレをしたかのように流すものも。また足を止めた年代・性別が興味のある動画を表示させれば、より人の目を惹きやすくなります。

メリット3.活用シーンが幅広い

主に街中や駅などの公共スペースに大きなモニターを使うイメージが強いデジタルサイネージ動画ですが、商業施設や百貨店、家電量販店などに設置されているのを見かけた方も多いのではないでしょうか。その他にも、医療機関などに設置されているデジタルサイネージ動画は、予防接種の案内や健康に関する情報を待ち時間などを利用して流せます。

このように広告としての動画だけではなく、人々に必要な情報を流して視聴してもらえるデジタルサイネージ動画は、街中や商業施設以外の場所でも活用の可能性は広がり続けています。

気になるデジタルサイネージ動画の種類は?

デジタルサイネージ動画はただ広告や情報を流す以外にも、最先端の機能と合わせて活用することでさまざまな広告効果が期待できます。静止画やポスターなどと比較すると、多くの人の注目を集められる上に動画を使って店舗への誘導ができ、体感型動画の場合は多くの人の足を止めるきかっけが作れます。そこで、実際に世界中でテスト使用や利用されているデジタルサイネージ動画をみてみましょう。

その場の状況に合わせた映像を流せる

アメリカNETFLIX社が、100台程度のデジタルサイネージ動画用モニターをフランスの各所に設置して、個々にその場に応じた映画のGIFを流すテスト動画を流しました。このサイネージ動画には100種類ものパターンが内蔵され、ループするGIFアニメ形式にすることで、容量を抑えてたくさんのパターンを作りだしたと考えられます。

さらに、NETFLIX社の強みである動画配信サービスのコンテンツホルダーのアドバンテージを活かして、豊富な動画をリアルタイムに起きた出来事などに合わせて、映し出す内容を変化させました。例えば、外が雨の場合は映画「300」の有名シーンから、俳優が雨風に吹かれている映像に変える仕組みになっています。

体感できるイメージ広告

映画で4DXを経験したことがある方も、いらっしゃるのではないでしょうか。デジタルサイネージ動画でも、実際に映像から風などを感じることが可能。東京の地下鉄六本木駅のホームにあるデジタルサイネージ動画はファッション雑誌の広告ですが、駅のホームに電車が近づいてくると同時にモニターの中でモデルが着用している洋服や髪の毛が風に吹かれます。

また、同じ駅のホームで流れていたシャンプーなどを取り扱っているメーカーの動画は、ディスプレイに近づくとモニターの中のモデルが振り返り、手を振って微笑んだりピースをします。このモニターにもカメラが設置されていて、近づいてくる人に合わせて動画が流れる仕組みになっています。周囲の状況に合わせて映像が動いたり、モニターに近づいた時に映像が動いたりすると、思わず足を止めたくなりますよね。

広告からダイレクトに販売ができる

アメリカなど海外のマクドナルドで、レジへ行かなくても店内に入ったらすぐに大きな注文用画面が置かれているのを見たことがある方もいるのでは。

これに近いデジタルサイネージ動画の活用方法を、実際に韓国の地下鉄ホームで見かけられます。イギリスのスーパーマーケットチェーン「Tesco」が韓国の地下鉄のホームに、実際のスーパーのように商品棚のビジュアルを配置した上に、スマホでも買い物ができるようになっています。

地下鉄で電車を待つ手持無沙汰の時間を利用して、その場で買い物を手元のスマホでしてもらうシステムです。陳列されたビジュアルの商品棚は実際の店舗と同じ並びになっているところも、消費者目線にしっかりこだわっています。購入したい商品はQRコードをスマホでかざすだけの簡単操作で、商品の配送まで完了できる便利なサービスです。

デジタルサイネージ動画の制作費用の目安は?

実際、デジタルサイネージ動画を作成するとなるとさまざまな費用が発生してきます。動画作成経験のある方は簡単な動画を作成できると思いますが、宣伝効果のある動画制作となるとプロの手にまかせた方が良い動画になる場合が多いです。そこで動画作成を依頼するにあたり、どのような費用が発生するのかを相場や人件費、撮影経費に分けて見てみましょう。

気になる制作費用の相場は?

デジタルサイネージ動画の制作費用は依頼する企業によって変わってきますが、スライドショーの場合は2~3万円でできることが多いです。また、スライドショーに動画をプラスすると、約10万円が相場になります。この10万円の内容には、企画・制作などの作業や声優、BGM、効果音といった音声に必要な費用も含まれます。モデルを起用するようなクオリティの高いデジタルサイネージ動画を依頼する場合は、これらのほかに人件費や経費が必要になってきます。

人件費はどのくらい?

デジタルサイネージ動画の制作には、人件費も必要です。この費用に含まれるものにはカメラマンやアシスタント、モデル、スタイリストなどがあります。また、プロの業者に依頼する場合は、1人当たりの人件費は2~3万円は見積もっておきましょう。

ほかにも撮影経費が必要

撮影にかかる経費は、交通費や撮影スタジオ、撮影機器、衣装などがあげられます。どれくらいの規模で動画制作や映像制作をするかにもよって金額は変わってきますが、運営や撮影に関する費用を合計すると10万円を超える可能性もあるでしょう。どのようなシーンで使うデジタルサイネージ動画を制作するのかをしっかり決めておくことが大切になってきます。

これまでもご紹介しましたが、デジタルサイネージ動画はポスターや看板などと比較すると、たくさんの視聴者の目を一度に集めて情報を伝えられる魅力的なツールです。しかしその分、ユーザーから期待されるクオリティも高くなる可能性があり、設置する場所に合わせてどのような内容にするのかをしっかり検討する必要があります。

進化するAIや最先端機能で期待も高まるデジタルサイネージ動画

デジタルサイネージの普及と同時にAIも進化するにつれ、デジタルサイネージ動画の可能性もますます広がっていくでしょう。駅やショッピングモール、人が行きかう公共スペースで大衆の心をつかむ動画ビジュアルがどう変化していくのを見守りながら、デジタルサイネージ動画の可能性にかけてみませんか。