タッチパネル式のデジタルサイネージをショッピングモールや駅、ホテルなどで見かけることが多くなりました。広告や案内の手段として活用されているデジタルサイネージ。タッチパネルを用いると、ユーザーはさらに広く細かい情報を簡単に得ることが可能になります。もちろん、タッチパネル式が増えているのは、設置する側にとってもメリットが大きいからこそ。この記事ではタッチパネル式デジタルサイネージ導入で期待できる効果や、気になるコスト面について解説します。

タッチパネル式デジタルサイネージとは

タッチパネル式にするメリット

デジタルサイネージがタッチパネル対応型であれば、そのメリットはさらに広がります。ユーザーにとってはスマホを触るように、必要な情報を簡単に取り出すことが可能。そして、設置する側にとって大きいのはコスト減が期待できることでしょう。タッチパネル型のデジタルサイネージがあれば、案内係などスタッフの負担が減るのは間違いなく、運用するのが小規模の店舗やイベントであっても、職場環境の改善や人件費の削減などの効果が期待できます。

タッチパネル式サイネージの画面サイズと用途

タッチパネル式のデジタルサイネージの画面サイズについては、2017年に一般社団法人のデジタルサイネージコンソーシアムがアテンドサイネージ用ガイドラインをまとめ、選定の仕方についても言及しています。

(1)操作者が操作しながら結果表示を確認するにあたって大きすぎない
(2)想定する利用人数で結果表示を確認するにあたって十分な大きさである
(3)設置をアピールしたい場合に通行者の視認に十分な大きさである

以上の3つが重要なポイントとしてまとめられています。そして(1)を想定した算出では32~36インチほどの画面サイズが適正としています。

タッチパネル式はタブレットのような10インチ程度の小型サイズのものから、40インチを超える大型のものもあります。現在は街で見かけるタイプは40インチ前後が多い印象。(1)~(3)の観点や、街で使用されているタッチパネルを参考にしながら、用途に合うサイズを選択をするのがいいでしょう。

タッチパネル式デジタルサイネージの活用例

案内係として機能

現在、広く使われているタッチパネル式のデジタルサイネージの主な活用例は次の通りです。

◎ショッピングモール内の施設、商品案内
◎駅での乗り換え案内、交通情報
◎役所など公的機関の行政、観光案内
◎病院の案内、受付
◎ホテル案内、サービス利用
◎不動産会社の情報案内
◎金融機関の顧客サービス
◎オフィスの受付

公共施設やホテル、一般の店舗などでタッチパネル式のデジタルサイネージはすでに広く浸透しているので、その便利さを体感している人も多いでしょう。例えば、観光案内で使用するなら名所や絶景ポイント、催事やグルメ情報など、利用者のニーズに合わせた情報を配信できます。多国語対応なら外国人客の招致に効果をもたらす期待も大。上記の活用例はほんの一部で、これからまだまだアイデアは広がっていくはずです。

有事の際は緊急配信システムに

そして、タッチ式デジタルサイネージは大規模災害の備えや、アクシデントの際も力を発揮します。平時は防災に関連した設備の紹介や啓蒙などに活用し、有事の際には緊急防災配信システムに切り替える使い方も。地域の安全にも貢献できるタッチパネル式デジタルサイネージの強みは無限大と言えるでしょう。

タッチパネル式デジタルサイネージの購入価格とコスト

必要な初期費用と月額費用

タッチパネル式のデジタルサイネージの値段は、ハードウェアなら40~150万円程と取扱店によって大きな開きがあります。もちろん、高価であるほど使いやすさや画面の明るさ、耐久性に優れているのが一般的。ただ、最近は製品も進化しています。需要の多い42インチ前後のサイズでは40万円台でも高性能を誇る製品も増えてきました。

管理費は更新が少なければ月額1万円以内で済む場合もあります。アフターサービスなどをしっかり付けたい場合はさらに費用はかかります。またタッチパネル式デジタルサイネージを稼働させるには当然電気代が発生します。さらにコンテンツ作成を外部に依頼する場合などはコスト増となるのを頭に入れて置く必要があります。

タッチパネル式デジタルサイネージのタイプと価格

タッチパネル式デジタルサイネージを選ぶにあたって注意したいのはタッチパネルの感度。安価に抑えられているデジタルサイネージは触れた時の反応が今ひとつの場合もあります。タッチパネルには「静電容量方式」「赤外線方式」などがありますが、「静電容量方式」は指のみに反応するので誤入力のストレスも微少。値段も高価となりますが、タッチパネルが頻繁に利用されるシチュエーションなら「静電容量方式」を選択する方がよいでしょう。

購入とレンタル、どちらが良い?

タッチパネル式デジタルサイネージの導入には製品を買う他にも、リースやレンタルでまかなう手段もあります。これは利用する期間が決まっているどうかで選択するのが良いでしょう。リースやレンタルの場合はコンテンツを管理するCMSや、豊富なバリエーションでコンテンツを表示するSTBのレンタル料などを月額で払うことになります。

短い期間のイベントで活用する場合は取扱店によってパック料金を設定している場合もありますが、長期でタッチパネル式デジタルサイネージを利用する場合は製品を購入した方がコストがかからない可能性が高くなります。

タッチパネル式デジタルサイネージの運用方法

タッチパネル式はコンテンツが重要

タッチパネル式デジタルサイネージを効果的に運用するには、その特性を生かしたコンテンツづくりやレイアウトも重要です。特に文字入力は一覧からの選択式にするのが理想。初めてタッチパネルを触るという人に合わせて、操作法などもできる限りフォローするのが良いでしょう。また、パネルにタッチすることで効果音や仕掛けなどを組み込むのも、利用者に親しみを持ってもらう手法のひとつです。

コンテンツを簡単に作成できるソフトウェアも

タッチパネル式デジタルサイネージのコンテンツ制作は難易度も高いので二の足を踏みがちですが、最近は簡単に作成できるソフトウェアも売り出されています。多くは作ったコンテンツをタッチパネルに組み込むだけ。

コンテンツ作業に人員を割いたり外部に発注するなどの余裕があれば、パソコンでコンテンツを作って接続する方法もあります。ただ、パソコン接続は調整作業に時間を要するので、ソフトウェアに頼った方が効率はいいかもしれません。

タッチパネル式デジタルサイネージの耐用年数

デジタルサイネージの耐用年数は養生して修理を繰り返しても5年程度と言われています。ただ、タッチパネルに限定すると2、3年になることも。不特定多数が触ることもあり、普通のデジタルサイネージよりも劣化のスピードが早くなることが予想されます。高価な機器ほど防塵対策などに優れているので劣化が早まるのを防ぐことも期待できますが、使う機器の特性を理解して養生に務めるのも重要になります。

デジタルサイネージはタッチパネルで可能性を広げよう


タッチパネル式のデジタルサイネージは、ユーザーがより簡単に多くの情報を得られる便利なツールです。コスト削減も期待できて運用方法も複雑とは言えません。幅広い活用でメリットも大きいタッチパネル付きデジタルサイネージを導入してみてはいかがでしょうか。