利便性の高いデジタルサイネージはインパクトのある広告や情報配信ができるため、ポスターや看板などこれまでの紙媒体に替わり注目を集めている電子看板です。今回は複数のディスプレイを使い遠くからでも強いインパクトを与えられる大型デジタルサイネージについて、種類やメリットなど詳しく紹介していきます。

大型デジタルサイネージとは

デジタルサイネージと大型デジタルサイネージ

デジタルサイネージは駅や街中でよく見かける電子看板のこと。ポスターや看板などに替わり、液晶ディスプレイに広告や情報をリアルタイムで発信できることから需要が高まっています。また紙媒体とは違い動画も配信できるためより強いインパクトを与えることができます。
1枚のディスプレイではサイズに限界がありますが、遠くからでも目に付きやすくインパクトが大きいのが大型デジタルサイネージです。複数の液晶ディスプレイを連結することで大型化、大画面でのデジタルサイネージが可能となりました。

マルチディスプレイシステム

複数の液晶ディスプレイを連結させて1枚の巨大なディスプレイを作ることをマルチディスプレイシステムといいます。好きな大きさや形のディスプレイを作ることができ、1枚のディスプレイとしてはもちろん、個別のディスプレイとして配信することもできます。

複数のディスプレイを連結させるために、ベゼルというモニター枠が使用されるので1枚の画面として見るとラインが入ってしまいます。なるべくベゼルを目立たないようにするため、マルチモニター用の薄型のベゼルもあります。

大型デジタルサイネージは3種類


大型デジタルサイネージには色々な種類がありますが、大きく分けると液晶ディスプレイ、LEDディスプレイ、プロジェクターの3つに分類されます。設置する場所や配信方法、コスト、メリット・デメリットを踏まえて、一番効果的な方法を選ぶことができます。

マルチディスプレイなら液晶ディスプレイ

一般的に最も普及しているのが液晶ディスプレイです。テレビ用モニターと同じと思われる人もいますが、縦型設置ができる、長時間の連続稼働が可能、彩度が明るいなどデジタルサイネージ用に作られています。

家庭用テレビよりも解像度が高いのできれいな画像を配信することができます。ディスプレイサイズが限られていますが、複数のディスプレイを連結することで大型ディスプレイを作ることができます。駅や病院、大型商業施設などではタッチパネルの液晶ディスプレイを使った案内掲示板など幅広く利用されています。

液晶ディスプレイのメリット・デメリット

フルハイビジョンや4Kなどがある液晶ディスプレイは、高解像度ではっきりとしたキレイな画像を映し出してくれます。様々なサイズがあるので設置場所に合わせて選ぶことができるだけでなく、スピーカー内臓の液晶ディスプレイならスタンドアロン型のように単体で設置することもできます。

その反面、衝撃に弱く配送や設置の際に衝撃が加えられるとダメージを受けやすいので設置や移動をする時は注意が必要です。またマルチディスプレイにした場合に画面を連結するベゼルがあることやLEDディスプレイよりも輝度が落ちてしまうことも考慮しておくと良いでしょう。

鮮明な映像のLEDディスプレイ

LED球を使ったユニットを組み合わせることで高彩度の大画面デジタルサイネージが可能なLEDディスプレイ。LED球自体が光るため圧倒的に明るい画面を作ることができます。そのため昼間の屋外など明るい場所でもキレイな画像を配信することができます。場所を選ばず設置することができるLEDディスプレイには、防塵加工や塩水処理されたタイプもあり、電球の寿命が長いこともLEDディスプレイの魅力です。

LEDディスプレイのメリット・デメリット

LEDディスプレイのメリットは昼間でも明るく自由度の高いディスプレイが可能なポイントです。ユニットを組み合わせることでどんなサイズや形のディスプレイも作ることができます。またベゼルのようなつなぎ目を気にすることもなく、アイキャッチ効果抜群の大画面を作ることができます。

デメリットとしては取り扱っている販売店が少ないことや導入コストが高いことです。液晶ディスプレイと比べるとLEDディスプレイは高額になってしまいますが、最近では既製モデルも出回るようになりコストも下がってきています。

自由度の高いプロジェクター

壁や床、天井などディスプレイを設置できない場所や狭い空間など、場所を選ばず画像を投影できるのがプロジェクターを使ったデジタルサイネージ。プロジェクターにもランプ式やレーザー光源、単焦点プロジェクターなど色々な種類があります。液晶やLEDのようなディスプレイ型とは違い、演出や表現方法の自由度が高いのが魅力です。

プロジェクターのメリット・デメリット

プロジェクターのメリットは導入コストの安さ。プロジェクターとスクリーンがあれば画像を配信することができるので、液晶やLEDのようにディスプレイが必要ありません。また白い壁など画像を映し出す場所があればいいので、使用しない時はプロジェクターを片付けることでスペースの有効利用にもなります。短焦点レンズや補正機能のあるプロジェクターを使うことで、近距離での大きな画像投影や柱、コーナー部分への投影も可能になります。

プロジェクターは光源を使って映像を投影するため明るい場所では見えにくいというデメリットがあります。またプロジェクターとスクリーンの間に人や通ってしまうと影が映ってしまうため設置場所に注意が必要です。プロジェクターに使われるランプは消耗品です。「いつ切れるだろう」という不安や交換する手間がかかります。現在ではLEDを使ったプロジェクターやレーザー光源のプロジェクターも増えてきています。

屋外と屋内での違い


デジタルサイネージには屋内用と屋外用があるのをご存知でしょうか。雨や風、直射日光など設置場所の環境によって必要な機能が違うため、環境に合わせたデジタルサイネージを選ぶことも大切です。気になる屋外用と屋内用の違いについて紹介していきます。

防水・防塵対策

屋外と屋内の環境で一番の違いは雨ではないでしょうか。デジタルサイネージは電気を使っっているため、雨は故障の原因となります。屋外用に作られたデジタルサイネージにはケーシングされるなどの防水機能や防塵機能が装備されています。

日光対策

屋外に設置する場合、長時間直射日光が当たり続けると液晶部分が黒く変色してしまうことがあります。またデジタルサイネージ内の温度が高くなることも故障の原因となります。そのため屋外用のデジタルサイネージには温度が上がると熱を逃がすためのファンがついているタイプが多いです。
屋内では長時間直射日光が当たることもなく、空調も効いているためそういった機能はありません。

明るさの違い

屋内用と屋外用の違いで一番分かりやすいのはディスプレイの明るさです。昼間は太陽光が強く明るいため、屋内と同じ明るさのディスプレイでは画面が見えにくくなってしまいます。そのため屋外では1200カンデラ以上の輝度が必要といわれています。

対して屋内の照明では屋外ほどの明るさは必要ないため、700カンデラ以上で十分な効果が得られます。

気になる価格は?購入かレンタル・リースも


デジタルサイネージを導入する場合、ディスプレイだけでなくSTB(コンテンツを配信するプレーヤー)やCMS(マネージメントシステム)、コンテンツなども必要になります。さらに設置する場所や方法によっては工事費用が発生することもあります。

またディスプレイの大きさや数、機器の性能によって金額も異なり、多くの会社があるため競争が活発化しています。そのため似たような機器でも会社によっては金額に大きな差が出ることもあります。何にどのくらいかかり、実際にどのくらい必要なのかは曖昧で、選ぶ機器によって違ってきます。

イベントの期間中だけなどデジタルサイネージを利用する期間が決まっている場合は、レンタルやリースという方法もあります。ディスプレイの大きさや配信方法などによって価格は違いますが「本格的に導入する前に試してみたい」という場合にもおすすめです。

短期間の使用なのか、長く使用を続けるのかなど目的に合わせて、購入やレンタル、リースを選択するのがおすすめです。

大型デジタルサイネージでインパクトのある広告を


デジタルサイネージは紙媒体に替わり様々な場所で活用されています。中でもインパクトの大きい大画面でのデジタルサイネージは、遠くからでも強いインパクトを与えてくれます。

大型デジタルサイネージの長所を最大限に生かして、効率よく効果的な活用方法を探してみてはいかがでしょうか。