デジタルサイネージを導入したい。いざそう考えても、用途にあったサイズがわからず、どれを選べば良いのか迷ってしまう方も多いです。

従来ではデジタルサイネージのディスプレイにブラウン管が使われていましたが、解像度は低く、大きさには限界がありました。今では解像度の高いディスプレイが続々と登場し、大きいサイズであっても綺麗な映像を流すことが可能に。そのためデジタルサイネージのサイズも幅広く展開されています。

この記事では、使用用途に合わせたデジタルサイネージのサイズの重要性、そしてサイズの選び方を紹介します。

適したサイズでないと視認性が悪くなってしまう


デジタルサイネージのサイズ選びが重要な理由のひとつに、視認性があげられます。

視認性が悪いとコンテンツが伝わらない

デジタルサイネージの一番のメリットは視認性が良いこと。ポスターや看板などと違って、ディスプレイを使うため、発色が良く、その分視認性も良くなります。また静止画だけでなく、動画も表示できるので、表現の幅が広がり、より多くの人の目に止まります。

本来視認性が良く、表現の幅も広いデジタルサイネージ。仮に視認性が悪かったらどうなるのでしょうか?

例えば、発色が良く、コンテンツ自体が魅力的であってもディスプレイのサイズが小さく、見にくければすぐに目を逸らされてしまう可能性が高いです。このように視認性が悪ければ、デジタルサイネージの魅力を活かせず、コンテンツも上手く伝わりません。

ディスプレイサイズと視認性の関係性

視認性の良し悪しは様々な要素で決まります。その中でもっとも重要なのはディスプレイのサイズ。遠くから見ることを前提にした際、ディスプレイが小さければ当然視認性は悪くなります。

逆にターゲットとディスプレイとの距離に適したサイズにすると、コンテンツを明確に伝えることが可能に。ディスプレイのサイズだけでなく、そこに表示するコンテンツに適しているか考えることも大切です。デジタルサイネージは一つの画面で複数の情報を表示出来ますが、ユーザーから見えなければその情報は全て無意味になってしまうことも。

コンテンツに適した文字の大きさについてはいくつかの見解がありますが、ここでは参考のため、おおまかな判断をするための公式を紹介します。

文字の縦サイズ(cm)=ターゲットとディスプレイまでの距離(cm)÷250

まずはこの公式を参考に設定し、実際に確認して判断してください。ディスプレイと表示するコンテンツの視認性も意識して設定すると、より良い効果が得られます。

動いている人をターゲットにしているか

デジタルサイネージは多様な目的で使用されます。もしデジタルサイネージのターゲットが歩いている人であれば、その点も考慮しなくてはいけません。

ターゲットにディスプレイが目に止まり、コンテンツを見て、通り過ぎるまでのストーリーを考えてサイズを選びましょう。遠くから気づき、その時点で情報を伝えるのか、遠くで気づき、近くに来た時により多くの情報を伝えるのか。その点を意識すると、効率的に情報を伝えられます。

街で見かけるサイズを参考にする

デジタルサイネージの最も適したサイズを選ぶには、すでに導入されているディスプレイサイズを参考にすると具体的なイメージを持って選べます。デジタルサイネージは9インチ〜70インチまで幅広いサイズ展開をしています。

街中や駅で見かけるサイズは50〜70インチ

パブリックな場所に置かれるデジタルサイネージは大きめのサイズが一般的です。特に駅などに設置されているデジタルサイネージは多くの人が急いで移動していることを想定しているため、大きめのディスプレイで遠くからでも目に入るように設定されています。

個人経営の店舗などが店先に使用しているサイズは40〜50インチ

店舗の外に店舗情報やメニューなどを表示しているデジタルサイネージ。通行人をターゲットにしているため少し大きめのサイズです。コンテンツ内容は店舗によって違いますが、飲食店ではおすすめのメニューを1品か2品ほど表示していることが多いです。

店舗内のPOPなどに設置されているサイズは10~20インチ

おすすめの商品の近くにPOPとして設置されているデジタルサイネージは小さめのサイズです。商品を買おうか迷っている人をターゲットに商品のPR映像などを流しています。ターゲットとの距離が近く設定されており、ターゲットが動くことも想定していないため、このサイズ感でも全く問題はありません。

ターゲットとの距離を考えて選ぶ


ターゲットの距離とデジタルサイネージのディスプレイサイズが適切でないと視認性が悪くなり、コンテンツが見られにくくなります。ではターゲットの距離にあった適切なディスプレイサイズとはどうやって決めれば良いのでしょうか?

そこを明確に決めるには距離とディスプレイのサイズだけを考えても決められません。デジタルサイネージで表示するコンテンツについても考える必要があり、具体的にはコンテンツの情報量を決めなければいけません。

ターゲットの距離…文字サイズ(高さ)
30mの場合…12cm以上
20mの場合…8cm以上
10mの場合…4cm以上
4~5mの場合…2cm以上
1~2mの場合…9mm以上

上記はターゲットの距離から判読できるおおまかな文字の大きさです。これ以下の文字サイズになってしまうと、近距離以外は判読しづらくなり、著しく視認性は悪くなってしまいます。

まずはターゲットとディスプレイの距離を決めましょう。そして次にコンテンツの簡単なデザインを決めましょう。

そこに必要になった文字数と上記のターゲットとの距離によって導かれた文字サイズを考慮に入れ、適したディスプレイのサイズを選んでください。そうすればターゲットに向けてしっかりコンテンツを伝えることが出来ます。

設置場所(屋内か屋外か)で決める


最後にデジタルサイネージのサイズと同じくらい重要な、設置場所について紹介します。

サイズは距離感も踏まえて選びますが、その際に一緒に考慮して欲しいのがデジタルサイネージを”どこに設置するのか”です。特に屋内か屋外どちらに設置するのか明確にしましょう。

実はデジタルサイネージには、屋外用と屋内用などタイプが決められています。屋外用は輝度が高く設定されています。輝度が低いと日中の明るさの中でディスプレイが見えづらくなってしまうからです。

また屋外に設置するためには防塵や防水機能がついているものでなければなりません。ディスプレイサイズが決まった際、設置場所によって屋外用と屋内用と選ばなければならないことを頭の片隅に入れておいてください。

適したサイズのデジタルサイネージを導入することで効果が上がる


デジタルサイネージを導入する上で大切なのは見てもらうこと。設置に適切なディスプレイサイズだけでなく、コンテンツの伝わりやすさを意識したサイズ選びをすれば、情報発信効果はさらに期待できます。正しいサイズ選びを知り、デジタルサイネージの設置を検討してみてください。