今や街の至る所で目にする機会の多いデジタルサイネージ広告。大画面で映し出されるアイキャッチ効果に、より多くの集客を目指して導入を検討している事業主の方も多いのではないでしょうか。ここでは、デジタルサイネージ広告のメリットや種類、料金、事例と効果をご紹介します。
デジタルサイネージ広告とは?
デジタルサイネージ広告とは、いわば電子広告のことです。ポスターなどの紙媒体が一枚につき一つのイメージに限られるのに対し、デジタルサイネージでは画面が切り替わるため、一つのディスプレイで複数の画像を表示することが可能です。
外国人観光客への迅速で正確な情報提供が求められる東京オリンピックに向け、需要は急激に増えており、今後も拡大されていくことが見込まれています。
デジタルサイネージ広告のメリット
デジタルサイネージのメリットとしては、次のようなものがあります。
・最新の情報をタイムリーに流すことができる
ポスターなどの紙媒体の広告では、情報を更新する度に書き換えて貼り直したりする手間が必要になりますが、デジタルサイネージによる広告では、USBメモリーの差し替えやデータ更新をすることによって、常に最新の情報をタイムリーに流すことができます。
・動画で配信でき、インパクトを与えることができる
デジタルサイネージ広告では、スライドショーや動画も配信できるため、人目を引きインパクトを与えることができます。
・暗い場所や遠くからでも見える
暗い場所や遠くからでも見えるため、昼夜関係なく、店舗の看板としても利用することができることもメリットの一つです。
・設置場所を取らない
ポスターや広告を張り出す場所を確保する必要がないため、そのための手間や人件費も軽減されます。
デジタルサイネージの種類
デジタルサイネージは、スタンドアロン型、ネットワーク型、インタラクティブ型の3種類に分けられます。
・スタンドアロン型
スタンドアロン型は、ネット回線を使用せず、USBなどのメモリーを使って繋げるため、複雑な操作は必要ありません。ただしUSBなどからのデータの転送に多少時間がかかるため、情報更新の頻度が多くない場合や初めての導入におすすめです。
・ネットワーク型
ネットワーク型は、情報更新の多い駅や空港などの交通機関や、病院の案内などに用いられます。回線を使用するため、設置場所が遠くても遠隔操作で情報の更新ができます。
・インタラクティブ型
ネットワーク型に加え、タッチパネルなどの外部からの反応で動くものは、インタラクティブ型と呼ばれています。本屋やDVD・CDレンタルショップなどで、利用者が商品を検索したりするのに便利です。
デジタルサイネージ導入にかかる料金
デジタルサイネージの導入を検討する際に、まず気になるのはその費用ではないでしょうか。それぞれいくらくらい見ておけばいいのか、だいたいの相場を紹介します。
ディスプレイ
デジタルサイネージ広告を表示するなら、業務用のディスプレイが必要になります。PCやテレビのディスプレイを使って費用を抑えることも可能ですが、業務用ディスプレイは、輝き度や表示可能な色が高性能なだけでなく、防塵対策や焼きつき防止などの機能も備えています。一般的に導入されているディスプレイの料金は次の通りです。
ディスプレイは、その大きさや屋内か屋外かによっても料金が変わってきます。
43〜55インチ屋内用:10〜40万円
32〜42インチ屋外用:40〜80万円
壁掛けのディスプレイの場合はもう少し高く、また、設置費用などもかかってきます。
STB
STBは、セット・トップ・ボックスの略で、コンテンツを再生するためのプレイヤーのことです。約1万円のものからありますが、高機能のものでは10万円を超えるものも。また、内蔵タイプもありますが、その場合の値段はディスプレイ料金に含まれています。
CMS
CMSは、コンテンツ・マネジメント・システムの略で、コンテンツ配信を管理するマネージメントシステムです。自社で行うとサーバ構築などの手間と初期費用が必要になるため、クラウドサービスを月額で利用する形が一般的です。CMSの月額は1端末につき、4千円~1万円が相場となっています。
コンテンツ制作
コンテンツとは表示する広告内容のことで、デジタルサイネージ広告の要となる部分です。コンテンツ制作を代理会社に依頼する場合は、静止画、動画、併用するのかなどによって異なりますが、およそ3万円〜8万円ほどが相場になります。コンテンツは、パワーポイントなどを使って自社で作成することも可能です。
レンタル
デジタルサイネージ広告の導入には、まとまった初期費用がかかるため、躊躇する方も少なくないでしょう。そんな時におすすめなのがレンタルサービス。月々8千円ほどでデジタルサイネージ機器がレンタルでき、中にはコンテンツ作成のサービスを含んでいる会社もあります。サポートも付いているため、特に知識がなくても躊躇なく導入できるのではないでしょうか。
デジタルサイネージ広告を使った事例と効果
実際にデジタルサイネージを導入した企業の事例をもとに、その効果を事業別に紹介します。
レストランやカフェなどの飲食店
飲食店のデジタルサイネージでは、メニューが更新される度に手書きをする手間がなく、時間帯によって表示内容を変えたり、デジタルサイネージ広告をそのまま集客に反映させたりが可能です。また、店頭に広めのスペースがある飲食店では、大画面、高画質のデジタルサイネージ広告によって、食事をより魅力的に見せてくれる演出が可能といった効果もあります。
デジタルサイネージ広告を導入したファーストフード店では、メニューボードやポスターなどを毎月交換することは手間がかかるだけでなく、印刷物にかかるコストも課題となっていました。導入後は、広告内容の変更のコストや手間が省かれただけでなく、省資源への貢献も。また、新商品やサイドメニューなどを効率的にPRすることもできています。
博物館などのレジャー施設、観光案内
博物館などのレジャー施設や観光案内では、来場者の導線に合わせて的確に情報を提供することが可能です。また、映像と音声を使い、楽しく分かりやすいコンテンツを提供することができます。
インタラクティブ型のデジタルサイネージを導入したテレビ会社では、社内1Fのアトリエ空間をリニューアルし、イベント時はもちろん、誰でも楽しめることができる空間を目指していました。
人の動きに反応して動作する双方向型コンテンツを導入後は、キャラクターを使った体験型の空間を提供し、子供から大人まで楽しめる空間の実現に成功。240V型という大画面を生かして大勢で参加できる、局と視聴者をつなぐ空間となっています。
また、映像は簡単にスケジューリングでき、イベントの背景画像もすぐに作成可能です。
アミューズメント施設
カラオケ、ゲームセンター、ネットカフェなどのアミューズメント施設は、豪華な演出を行うことが他店との差をつけるうえで重要になってきます。特に大画面を使った動画は顧客の興味を引き、立ち止まってディスプレイを見る人も少なくありません。
結婚式場、コンサート、講演などに利用できるホールフロアを上層階に持つ会社では、メインであるウェディング事業の情報発信力を強化し、利用者の拡大に繋げることを目指していました。
デジタルサイネージ広告導入後は、コンサートや講演での来場者に向けて、美しく魅力的なウェディング写真をPRし、利用者拡大に。32V型と持ち運びできるサイズであるため、ウェルカムボードとしても必要な場所で活用されています。
デジタルサイネージ広告で訴求効果を高めよう
デジタルサイネージを導入するには、まとまった初期費用がかかりますが、初期費用に投入した料金以上の利益を得ているケースも多く見られています。躊躇している方は、まずはレンタルサービスを利用して、デジタルサイネージ広告がどんなものなのか、どういった効果が見られるのか、様子を見ることから始めてみるのはいかがでしょうか。