鮮やかなデジタル画面を使った案内板や商品広告など、街中で目にする機会が増えたデジタルサイネージ。一見導入が大変そうなサイネージですが、実は自社管理や個人で画像を制作することができる便利で効果的な広告です。個人経営の飲食店などでも効果的に宣伝ができるサイネージの魅力についてご紹介していきます。

静止画デジタルサイネージの魅力

デジタルサイネージは見た目の鮮やかさで目立つだけでなく、導入するメリットが多数あります。特に自社制作が容易な静止画デジタルサイネージの魅力を詳しくご紹介します。

デジタルサイネージのコンテンツは大きく分けて3種類

広告や看板をデジタルで表現するデジタルサイネージ。サイネージで再生するコンテンツは大きく分けて「静止画・動画・ウェブ型」の3種類に分けられます。

・静止画

看板や広告をより鮮やかに表現できる静止画サイネージ。紙の広告は劣化したり、新しい広告に交換したりする際に手間がかかりますが、静止画サイネージは表示や交換の手間が少なく、ライトのない暗い場所でも目立ちます。また紙の広告は1つの場所に対して、1つの広告を一定期間掲載しますが、デジタルサイネージは1つの場所に複数の広告を再生することが出来るため、紙広告より広告収入を多く見込むことも出来ます。

静止画のサイネージは会場案内や公演予告など、じっくり見せる必要のある文字情報の表示から、商品の宣伝画像などさまざまな広告に向いており、小規模な店舗からショッピングモールなどの大規模な施設まで様々な場所で活用されています。

・動画

CMなどの動画サイネージは比較的大規模な施設や、人通りの多い音を出せる場所に導入されることが多く、よりインパクトのある効果的な広告です。音や動きのある広告は、信号やエレベーター待ちの時間など無意識でも勝手に目に入り、人の記憶に効果的に残すことができるため、全く新しい市場に参入する際や新しいターゲット層に向けたマーケティングに活用できるサイネージです。

・ウェブ型

ショッピングモールなどに多く導入されているタイプで、タッチパネルなどを利用し、フロアガイドやイベント情報などを利用者に選択させて表示するサイネージです。サイネージはPCのように操作することができ、エンターテイメント的コンテンツの導入や、インフォメーションに関わる人件費削減が期待できます。ウェブ型コンテンツの制作には専門の知識が必要なため、プロに委託する必要があります。

静止画サイネージは制作費が安くコンテンツ入れ替えも便利

静止画のサイネージは音が出せない場所にも適応でき、制作費や導入費用の面でも始めやすいサイネージです。静止画のコンテンツは標準的なパソコンで制作することが出来るので、制作費を安く抑えることができ、ファッションブランドや飲食店の広告などは商品写真を連続再生するだけでも、おしゃれで人目を引くサイネージ広告が成立します。

静止画コンテンツの入れ替えには、USBやSDカードを入れ替えるタイプのサイネージや、ネットを繋ぐことでオンラインにて静止画の入れ替えを行えるサイネージがあります。静止画は低容量なので、オンラインで静止画を入れ替える際も送信に要する時間も少なく、ストレスなく入れ替えが完了します。

高画質再生が可能

静止画はサイネージに合わせ、コンテンツを高画質で制作するのも比較的容易です。高精細カメラなどで撮影した画像を圧縮せずに再生することもでき、オンラインで送信する際も動画と比較するとかなり低容量なため、ストレスなく送れるメリットがあります。

一方で動画は高画質であればあるほど容量が増え、大きなサイネージや8K液晶のような高精細のサイネージには高画質の動画が求められ、制作費も高くなる傾向にあります。それぞれサイネージには得意な場所や目的があるので、使い分けが重要です。

静止画サイネージを自社で制作してみよう

静止画サイネージは自社運営のみで広告を再生することが出来ます。難しい知識や特別なソフトがなくても、標準的なパソコンがあれば広告画像を制作したり、サイネージで広告の再生が可能です。

サイネージのコンテンツはPowerPointで制作ができる

静止画を動画にしたコンテンツを制作会社等に依頼してしまうと、1つの画像に変更が必要になった場合、全てを制作し直す必要があり、コンテンツの更新をする度に制作費が必要になります。静止画はPowerPointで制作が可能で、パソコンに標準装備されていれば、制作費0円でコンテンツ制作可能。

PowerPointはスライドショーのように、静止画広告を任意の時間で表示させられます。次の静止画広告への切り替えもフェードアウト・インなど演出方法も選べるため、静止画サイネージであれば十分な機能が備わっています。

MPEG-4動画形式でも保存が可能なので、静止画と静止画の間に動画を挿入することができ、簡単な動画再生はPowerPointでも可能です。

静止画コンテンツは分かりやすさが重要

静止画コンテンツは比較的小さなサイネージ端末で表示されることも多く、看板のように文字情報を盛り込む際には、文字が多すぎると興味を持ってもらえない場合もあります。分かりやすさや目立つ配色など、第一印象が非常に重要です。

飲食店の看板にはデジタルサイネージが向いています。料理の画像は紙で表示するより、デジタル画像で鮮やかに表示する方が彩度を高く表現でき、人間が美味しそうに感じる写真を看板にできるためです。スライドショーにすればおすすめ料理から季節限定メニューまでたくさんの料理の宣伝が可能となり、個人経営の飲食店などでもサイネージを効果的に利用できます。

広告の入れ替えが簡単なネットワーク型がおすすめ

デジタルサイネージは広告の入れ替えが容易なため、広告更新の頻度を高くし、常に新鮮な広告を打ち出すことが重要です。USBなどの実媒体でのコンテンツの入れ替えをする場合には、現地に足を運んで入れ替えが必要だったり、USBを数本用意する必要があるなどのデメリットがあります。

ネットワーク型は、自宅や自社などのパソコンにある静止画データを、ネットワークを通じて入れ替えが可能です。店舗の休止状況や悪天候によるお知らせなど、現地に赴くことができない場合にも大変便利であり、複数のサイネージを更新する場合にも同時に更新作業ができる機器もあります。初期投資はUSB型の方が安くなりますが、今後広告を頻繁に変えたり、台数を増やす予定がある場合にはネットワーク型がおすすめです。

静止画のデジタルサイネージ運用に必要な基礎知識

静止画素材を自社で制作する場合や、テナントに広告を入れてもらう際に画像やディスプレイに関する知識があるとスムーズです。ここでは知っておきたい基礎知識についてご紹介します。

デジタルサイネージの解像度

デジタルサイネージの液晶ディスプレイは、「画素」と呼ばれる小さな四角がたくさん集まってできています。画素はピクセル(px)で表され、ディスプレイの画素数を画面解像度と呼びます。画素数が多いことを解像度が高いと表現し、より精細な画像を表現できます。画面解像度は横×縦の画素数で表現され、フルHDや4Kなど規格名で販売されることが多いです。

解像度の大きいディスプレイの方が価格も高くなりますが、表現する静止画の画素数と、ディスプレイの画面画素数が合わないと、コンテンツが上手く表現できない場合があります。

一般的にテレビなどに良く用いられているフルHDは1920×1280画素の画面解像度があり、再生するコンテンツも1920×1280画素が必要です。1920×1280画素より高画質な4K画像をフルHDのディスプレイで再生しても、画面解像度以上の画質を得ることはできないので注意が必要です。

ディスプレイの大きさ

テレビなどで良く用いられる「型」ですが、ディスプレイの大きさを表しています。横縦の大きさではなく、対角線の長さで表現されます。ディスプレイの大きさはインチという単位で表され、1インチ=2.54センチと決まっています。インチをセンチに変える際はインチ数に2.54をかけることで、センチ換算をすることができます。例えば5インチは5×2.54=12.7センチです。

テレビのインチ数に対する縦横比は16:9とほぼ決まっているため、サイネージ再生機器を購入する際には、型を見れぱディスプレイの大きさがわかります。

サイネージで認識できる文字の大きさ

静止画サイネージでは文字情報を表現する場合も多いですが、看板と同じく、人間が文字をきちんと認識できるサイズで表現する必要があります。

国土交通省が道路標識に定めている規格では、看板から5mの距離にいる人間が認識できる日本語の大きさは2cm以上、40mでは16cm以上の大きさが必要とされています。人通りの多い場所での広告や、会場案内などには先ほど説明した文字の大きさを考慮する必要があります。

デジタルサイネージで人目に止まる効果的な広告を

大きなサイネージや動画サイネージでの商品の宣伝など、より効果的な広告にはプロに外注する方法もあり、より効果的な広告も表示できるデジタルサイネージ。まずは自社制作から簡単なデジタルサイネージを導入してみてはいかがでしょうか。