近年、街中でよく見かけるようになったデジタルサイネージ。立ち止まって見る人や、タッチパネルを操作する人も多いですよね。しかし実際、デジタルサイネージの効果はどれくらいあるのでしょうか。今回は効果を調査する効果測定について解説します。データを活用し、売上増に繋げていきましょう。

デジタルサイネージの効果測定とは


デジタルサイネージの効果測定とはどんな仕組みなのでしょうか?システムの解説から、どういったデータがわかるのか説明していきます。

デジタルサイネージのしくみ

そもそもデジタルサイネージとは、日本語では電子看板とも呼ばれており、ディスプレイに様々なコンテンツを映し出すものをいいます。駅や店頭、様々なところで使われていますが、実際にどのくらいの人がこれに注目しているのか、またどれくらい使用されているのかはよくわかりませんよね。

しかし、上記のようなことがわかってくれば、客層や商品の種類、見せ方などの改良を図ることができます。もしくは、見られていないのだったらどこを変えればいいかなども検討できるでしょう。そういったデータを蓄積してくれるのが「効果測定システム」です。

デジタルサイネージの効果測定システムとは

では、効果測定とは具体的にいったいどのようなことが出来るのでしょうか?

例えば、サイネージがどのくらいの年代・性別の人に注目されているかを数値で確認することができます。若い女性なのか、お年寄りなのか。これだけでも自分たちがどのコンテンツを配信するか方向性が決まってきます。また、事前に設置位置の通行量を調査し、そこに置いて本当に訴求力があるかどうかも調べることができます。

効果測定は計測用カメラを設置する必要がありますが、注目率とその場所の混雑具合を調べるために2台置くのが効果的。データを掛け合わせることで、サイネージがどのような効果を上げているかが数値として確認できます。

デジタルサイネージの効果測定で何がわかるのか

通行している人がどれくらい注目しているか、さらに性別やおおよその年齢までわかる効果測定システムですが、それだけではありません。注目した人物の視線がどこを向いているか、また表情はどうかなど、より細かく分析もできます。

注目されているだけでは、そのときに表示されているものの何に注目しているかはわかりづらいかもしれません。しかし、視線や表情、身振り手振りなどをトータルで測定することによって、コンテンツが適切かどうかを判断することができます。サイネージの設置後、こちらの商品の売り上げは伸びたが他も伸ばしたい、というときにこれらのデータが役立つでしょう。

デジタルサイネージの効果測定をどう使う?


それでは、効果測定で得たデータはどのように活用していけばいいのでしょうか?効果測定で消費者の視線や行動がわかれば、デジタルサイネージの位置やコンテンツの改善方法が見えてきます。

デジタルサイネージのコンテンツの検討

効果測定で得たデータは決して無駄になることはありません。ですが、すぐに効果が出るわけでもありません。積み重ねで測定していき、コンテンツを変え、また時間によってスケジュールを変更することで効果が出てきます。

同じコンテンツをずっと流し続けていては、効果測定の意味がありません。例えば高齢者が注目する時間帯は文字を大きめにする、若い女性が多い時間帯はオシャレな商品を紹介するなど、時間、ターゲットによってコンテンツを様変わりさせる必要があります。少しずつ改良していき、自社なりの作り方を確立させていくことが重要になるでしょう。

デジタルサイネージの設置位置の検討

設置位置も重要なポイントのひとつです。どんなに魅力的なコンテンツを流したところで、設置位置が悪く誰にも見られないのでは意味がありません。効果測定を導入するなら事前に通行量や混雑具合を調査し、どこが一番効果的かを検討する必要性があります。

また、天候や時間帯によって位置を変えてみるという方法も。人の流れは微妙な変化に影響されます。雨ならば通行ルートが変わるかもしれません。そういった小さな変化を効果測定で検証し、改善を図れるのがメリットです。

デジタルサイネージでわかる消費者のニーズ

効果測定によってわかるのは、放映コンテンツやサイネージの設置位置など、実は些細なことが商品の売り上げに関わってくること。ただ画像を流しているだけではお客様が注目してくれる可能性は低いです。音楽を流す、動画を流す、文字を動かす…など少しでも目を引いてもらう、そのあと注視してもらうという流れが必要です。

自分たちのメインとするターゲットはどんな人で、その人たちに訴求するにはどういうコンテンツがいいのか。もしくは、自分たちが思っていたターゲットとは違う層に響くのではないか。効果測定を使えば、新しい発見ができるかもしれません。

デジタルサイネージの効果測定を導入するには


それでは、デジタルサイネージの効果測定を導入するにはどのような手順を踏めばいいのでしょうか?測定だけでなく、その後の活用まで計画的にできるように準備していきましょう。

デジタルサイネージの導入

まず、導入するにあたって、何が目的かを明確にしておきましょう。サイネージを導入したのに思ったより売り上げにつながらない、もしくは見てもらえているかどうかわからないなど、「自分たちに必要な機能、サポート」を考えておくのがおすすめ。

効果測定に伴ってコンテンツ自体のアドバイスも欲しくなるため、どこまでのサポートが必要なのかが重要です。アドバイスを受けて自分たちで作成するのか、その作成も請け負ってくれるのかもサービスの比較対象になります。せっかくの効果測定なので、ただデータをもらうだけでは意味がありません。

デジタルサイネージの効果測定の比較

デジタルサイネージの効果測定は、コンテンツを管理するシステム会社が一緒にやっている場合もあります。もちろん、コンテンツを把握している会社の方が連携も取りやすく、効果測定を踏まえた提案をしてくれるメリットがあります。システムにも効果測定にも一定の実績があるならば、任せてしまうのも選択のひとつ。

ただ、フラッシュメモリで自分たちだけで管理している場合は効果測定の会社を探す必要があります。もちろん、上記の会社でも効果測定のみ扱っていることもあるので比較検討してみてください。

デジタルサイネージの効果測定を有効に使う

効果測定のデータが出たら「自分たちの広告がどれほど視認されているか」「誰に見られているか」などの数値をしっかりチェックしましょう。思ったより見られていない、またはターゲットと違った人に見られることが多い、など予想外のデータも出てくるかもしれません。

文字の大きさ、色の鮮やかさ、動画のスピードや設置位置。もちろん、データが出たところですぐ改善して終わりではありません。効果測定は長く続けて、コンテンツを改良して消費者へアピールするのが重要です。PDCAを回してよりフィットしたコンテンツを作っていきましょう。

デジタルサイネージは効果測定を使って有効活用を


デジタルサイネージの効果測定システムでは、通過した人たちの性別、視線、行動など様々な情報がわかります。そういったことがわかると、もっと効果的なコンテンツは何か、設置位置は最適かなど問題点が浮き彫りになってきます。それらを解決すれば売上アップにつながるのではないでしょうか。