デジタル看板市場は、2020年には2016年の2倍の約3300億円にのぼるといわれています。それに伴って、新たにデジタル看板の導入を検討し始める企業もますます増えてきています。しかし「デジタル看板は集客効果が高いってよく聞くけど、イマイチどんなものか分からない」という方も多いと思います。そこで今回は、デジタル看板とはどういったものなのかお伝えするとともに、それを利用するメリットや気になる初期費用についても解説していきます。

デジタル看板とは?

「デジタル看板」と聞くと、街頭にある大きなモニターをイメージする人が多いですが、その詳しい特徴や仕組みについては分からない人もいるでしょう。

「デジタル看板」は電子機器を利用した掲示板

「デジタル看板」をとても簡単にまとめると「電子機器を利用した映像や画像で情報を発信できる看板」です。従来の看板と違い、情報を届けたいターゲットによって表現方法を変えられるので、より高い訴求効果が期待できます。最近では、街頭や公共施設だけでなく地方の個人店舗などでも利用され始めており、今後さらなる普及が期待されている情報発信媒体です。

「デジタル看板」の仕組み

デジタル看板は主に4つの要素で構成されています。

1.ディスプレイ
映像や画像を映し出す部分で、デジタル看板のメインとも言えるモノ。
デジタル看板は外での使用も考えられるため、デジタル看板のディスプレイはテレビのものよりも耐久性が高く設計されています。

2.スタンド
デジタル看板の中にはスタンドを利用して自立させるタイプがあり、ディスプレイに合わせた様々なタイプのスタンドがあります。
そのため、用途や場所に合わせての選択が可能です。

3.STB
STBとはコンテンツをディスプレイに再生する装置。より分かりやすく言うと、テレビに接続して使うDVDプレイヤーのようなもので、STBがないと情報を発信できないためデジタル看板を使う上では不可欠です。

4.ストレージ
ストレージはコンテンツを保存しておく保管庫のような役割をなす部分です。外付け型とクラウド型の2種類あり、使用状況に合わせて選べます。

デジタル看板を導入する4つのメリット

従来の看板にはないメリットがあり、高い集客効果が期待されるデジタル看板。以下では、デジタル看板を導入する4つのメリットをご紹介していきます。

1.ターゲットに合わせた適切な情報が届けられる
デジタル看板はリアルタイムにコンテンツを変更・更新が可能なので、ターゲットに合わせた情報を届けられます。例えば、商業店舗でタイムセール情報を発信する際に、看板やポスターを使っていれば変更に時間がかかり機会損失を出してしまう可能性がありますが、デジタル看板であれば即時に変更可能なのでムダがありません。

2.省スペースで運用できる
従来の看板だと、1コンテンツに1つの看板が必要ですが、デジタル看板は1台あれば複数のコンテンツを配信できるので、省スペースで運用ができます。また、近年の技術の進歩によって、より軽量化・薄型化したモデルも登場しており、スペースをさらに効率よく使えるようになってきています。

3.注目を集めやすい
デジタル看板はディスプレイ自体が発光しているので、視認性が高く注目を集めやすいメリットがあります。コンテンツを音声動画にすると、さらに注目効果がアップするでしょう。

4.耐久性に優れる
デジタル看板は屋外での使用も想定されているため、防塵性能・耐衝撃性能・防水性能などを備えており耐久性は優れています。壁に埋め込むタイプの高価格帯ディスプレイは特に耐久性が高く、法定耐用年数が20年もあるタイプも。

デジタル看板を導入する際の初期費用

デジタル看板は機器によって機能や性能が大きく異なります。そのため、導入費用がいったいどれくらいかかるのか、検討がつきにくい方も多いでしょう。ここではデジタル看板を導入する際の初期費用について具体的に解説していきます。

ディスプレイ

デジタル看板は屋内用と屋外用で価格は異なり、屋外用の方が豊富な機能性や高い性能を備えているため費用も高額になりやすいです。屋内用が10万円〜40万円、屋外用なら30万円〜80万円がおおよその相場となっています。ただし、屋内用のスタンドアロン型であれば10万円以下でも購入できるので、とにかく費用を抑えたい場合はおすすめです。

CMS

CMS(Contents Management System)とは複数のデジタル看板を一括で管理できるシステムのことで、CMSを導入しているとコンテンツの変更をしたいときなど、デジタル看板を個別に対応しなくて済むのでとても便利です。
CMSはクラウドサービスとして提供されているケースが多く、デジタル看板1台あたり月額4,000円〜10,000円程度で導入ができます。

STB

デジタル看板によってはSTBが内蔵されているタイプもありますが、そうでない場合は別途で用意する必要があり費用がかかります。その費用はおおよそ、10,000円〜導入可能で、機能・性能が増加するにつれ価格も上がっていきます。なお、クラウドに接続して利用するタイプや、縦置き利用ができるタイプのデジタル看板は高額になりがちです。

コンテンツ

コンテンツは依頼する業者によってはもちろん、コンテンツ作成にかかる時間や、修正回数によっても費用はかなり異なります。例をあげると、静止画像にテロップを挿入したコンテンツは15,000円〜、テロップをいれた動画コンテンツは20,000円〜といった具合です。
業者によっては電子看板とコンテンツを合わせて販売しており、合わせて見積もりを取れる場合もあるので、必要であれば業者に相談してみると良いでしょう。

設置工事

設置工事の費用も設置する機器や環境によって異なるので、業者に見積もりを依頼するのが一般的。ただし、スタンドとディスプレイが一体化している「スタンドアロン型」のデジタル看板を選べば工事費は不要になります。

デジタル看板の初期費用を抑える3つのポイント

デジタル看板の初期費用は高額になり、手がでにくい場合があります。しかし、あるポイントを抑えると安く導入できる場合があるのです。以下ではイニシャルコストを抑える4つのポイントについてご紹介します。

1.導入の目的、設置場所を考える
導入の目的や設置場所を考えると、ディスプレイの必要な機能がわかるため、ムダに高性能なものを購入しないようになり、費用を抑えやすくなります。
例えば、店舗内にいるお客様に訴求することを想定した場合「防水・防塵性能のあるディスプレイは不要、輝度も低いものでOK」といった判断ができるので費用を抑えられます。
「どのようなターゲットに訴求したいのか」「どういった場所に設置するのか」など、事前に検討するのが重要です。

2.コンテンツ内容の変更 or クラウド型の発注サービスを使う
コンテンツの内容を簡単に制作できるものにし、自社で作成するとトータル費用を削減できます。どうしても自社では制作できなくて他に依頼したい場合は、ネットで「動画コンテンツ クラウド依頼」等のキーワードで検索し、クラウド型の発注サービスを使って制作者を募るのも一つの手です。というのもクラウド型の発注サービスは、業者に依頼するよりも安価で請け負ってもらえる場合があるためです。

3.レンタル・リースにする
デジタル看板を導入するにはディスプレイのほかにも様々なものが必要で、イニシャルコストが高くなりがち。しかしレンタル・リースにすれば、それらを一括で購入する必要がないので、月々約8,000円〜導入できます。長期的に見れば、一括で購入した方が安いケースもありますが、短期でしか使わない or 使い続けるか分からないのであれば、レンタル・リースがおすすめです。

デジタル看板を導入して集客力アップを目指そう!

従来の看板とは異なり、映像や画像で情報を発信できるデジタル看板。「なんのために導入するのか」「どんな場所に設置するのか」など事前に検討すると、安く効果的にデジタル看板を導入できるでしょう。