店頭や屋外で光る看板としておなじみの「LEDパネルライト」。夜間でも目立ち宣伝効果も抜群ですが、同じように光った看板にデジタルサイネージというディスプレイもあります。この二つはどのように違うのでしょうか。この記事では「LEDパネルライト」の説明と導入例に併せて、「デジタルサイネージ」との違いも紹介します。
「LEDパネルライト」とは?
パネルの内部が光りポスターやお店のロゴなどを照らし出すポスターパネルの「LEDパネルライト」は、駅のホームやお店の看板として見たことがある方も多いでしょう。光る広告なので、昼夜問わず宣伝効果が期待できます。ここでは、LEDパネルライトの寿命や電源、看板の素材について紹介します。
LEDで寿命は長い
「LEDパネルライト」は名称にあるように光源として「LED」が使用されている広告塔です。LEDは寿命が長く、蛍光灯の寿命が約13,000時間といわれているのに対して、LEDの平均発光時間は4万時間前後です。
単価を比較すると蛍光灯よりもLEDのほうが高くなりますが、LEDは蛍光灯よりも寿命も長いので、長期的に見ればLEDの方が費用は安くなります。またLEDは発熱も少ないので、LEDを使用できる照明器具の幅も広がります。
「LED」とは発光ダイオード(Light Emitting Diode)の略語で、電圧を加えると透明な樹脂に覆われた半導体素子が発光します。
現在ではフルカラーになるLEDですが、開発当初の1962年は赤色LEDのみでした。研究が進んだ結果、10年して黄色LED、その後数年おきに桃色、青色、緑色、最後に白色LEDが登場しました。
LEDパネルライトは家庭用電源で使える
街中で明るく光るLEDパネルライトを見ると特殊な電源や工事が必要なのではないかと思いがちですが、LEDパネルライトは電源工事の必要はなく、専用のACアダプターにより家庭用電源を使えます。
LEDパネルライトによっては電源内蔵型や充電式のものもあり、設置場所近くにコンセントがなくても使用できます。ただしACアダプターで電源を取るタイプよりも電源内蔵型や充電式は光源部分が小さくなる傾向があり、LEDパネルライトのデザインに影響が出ることもあるでしょう。
看板の素材はバックライトフィルム
LEDパネルライトの素材には、光を拡散するための特殊なフィルム「バックライトフィルム」が使用されています。
「バックライトフィルム」は光の透過濃度が高いため、LEDの光を拡散させながらフィルム上に印刷された画像や文字を浮かび上がらせます。インクジェットプリンターでも印刷ができるので、A4程度の小さなサイズならご家庭でも印刷できて便利です。
またLEDライトパネルは多数のLED素子が並べられているのでムラなく光り、しかも長時間にわたって光り続けられるので取り扱いやすいです。
「LEDパネルライト」の活用事例とは?
LEDパネルライトは店頭の看板などに使われるだけでなく、天井照明や写真のディテールを確認するための機材としても使われています。ここでは看板として使われるLEDパネルライトの種類のほかに、天井照明や「LEDライトボックス」についても紹介します。
看板用LEDパネルライトは屋外や屋内でも活用
光る看板として活用されるLEDパネルライトには、壁に固定するタイプ、スタンド式で片面だけが光るタイプと両面が光るタイプ、さらに屋外で使うための防水型などの種類があり、設置場所に合わせて選べます。
LEDパネルライトに使用されるフレームには、アルミフレームやアクリルフレームが使われています。アルミフレームは軽くて色の種類も多いので選択の幅が広がります。前面のフレームを開閉して宣伝素材を変えられるLEDパネルライトは取り扱いしやすい商品です。
一方、アクリルフレームは耐久性が高く重厚感があるので、単に看板として使うだけでなく、インテリアとしての魅力もあるでしょう。
他にもイルミネーションを施したタイプや専用イーゼルに置くタイプ、またスタンド付きで店頭でも出し入れしやすいタイプなどがあり、用途に合わせてお選びください。
天井のシーリングライトとして活用
LEDパネルライトはシーリングライトとしても活用されています。天井と一体化させたデザインならオフィスや店舗をすっきりと見せられ、住宅の室内照明としても使えます。LEDパネルライトの明かりは十分な採光が取れるだけでなく優しい明るさなので、空間を優しく包み込んでくれます。
またLEDの寿命が長いので交換する手間が省けてメンテナンスが楽です。消費電力も抑えられるので省エネにも繋がります。
スタイリッシュなデザインに省エネにもなるLEDライトパネルは、蛍光灯照明の代替えにおすすめです。
写真撮影の現場で使われるLEDライトボックス
写真撮影の現場では、LEDライトパネルと同じ仕組みをしている「LEDライトボックス」が使われています。「LEDライトボックス」とはLEDを光源として箱の形状をしたもので、LEDライトボックスに乗せたフィルムを光により透過して細部をチェックします。
写真以外にもアニメーションの製作現場では、セル画と呼ばれるアニメの一コマを描いた絵の詳細確認や彩色の際にも使われています。
かつては蛍光灯などが使われていましたが、LEDに代わりライトボックスは薄型になった上に発熱も少ないため作業しやすくなりました。
「LEDパネルライト」と「デジタルサイネージ」との違い
光って宣伝る掲示板はLEDパネルライトだけではなく、最近ではよりたくさんの情報を提供できる広告塔として「デジタルサイネージ」が注目されています。ここでは「LEDパネルライト」と「デジタルサイネージ」の特徴を比較して違いを解説します。
デジタルサイネージは動画や音声も流せる
デジタルサイネージは液晶ディスプレイを使い静止画だけでなく動画や音声も流せます。店頭や駅構内、最近では建物の壁に大きく設置されたデジタルサイネージも街中では見かけられるようになりました。
LEDパネルライトでは静止画しか使えませんが、デジタルサイネージは近くにいる人に静止画だけでなく映像や音声も使って情報を発信することができるので、人の目を引きつける効果が高いコマーシャルツールとして注目を集めています。
デジタルサイネージはリアルタイムの情報が発信できる
デジタルサイネージの強みは発信する情報を逐一更新できることです。多様化するニーズに合わせたさまざまな情報をすぐに提供できるので、デジタルサイネージを見た人の関心を集めやすくなります。
デジタルサイネージで配信する情報はUSB経由またはLAN経由ですが、インターネット経由で情報配信ができるデジタルサイネージもあります。インターネット経由ならお手持ちの携帯電話やSNSと連携もできるので、コンテンツを変更したいと思った時に変更できます。
LEDパネルライトは宣伝素材を入れ替える手間がかかりますが、デジタルサイネージは様々なコンテンツを即座に配信できます。
デジタルサイネージは導入コストがかかる
デジタルサイネージはLEDライトパネルよりも導入コストがかかります。デジタルサイネージはディスプレイや設置台のほかに設置費用も必要で、配信するコンテンツを自作ではなく外部発注すれば発注費用がかかります。また電気代もLEDパネルライトと比べると高くなります。
一方、LEDパネルライトはデジタルサイネージより導入費用が低く抑えられるだけでなく、宣伝素材となるコンテンツの変更もインクジェットプリンターで印刷できて手軽です。またLEDパネルライトは軽量なので設置場所が多いというメリットもあるでしょう。
違いを知って最適な広告表示を見つけよう
「LEDパネルライト」は軽量かつ初期費用は少なめで、夜間にはLEDで照らし出される宣伝効果の高い広告塔です。一方「デジタルサイネージ」は提供できる情報量が多くインパクトも大きいのですが、初期費用だけでなくコンテンツをアップデートするための経費や時間がかかります。それぞれの特徴を知って、自社に合う最適な広告形態を選びましょう。