「デジタルサイネージ」とはLEDなどのディスプレイを使って映像や情報を表示するシステムで、街頭での広告などに使われています。今回は「デジタルサイネージ」の意味と「サイネージ」との違いを解説し、広告業界での「デジタルサイネージ」の種類と仕組みに併せて、「デジタルサイネージ」の他業界での活用事例も紹介します。

「デジタルサイネージ」の意味と「サイネージ」との違い

広告業界でよく聞かれる「デジタルサイネージ」とはどのような意味なのでしょうか。ここでは「デジタルサイネージ」の意味と「サイネージ」の意味と違いを解説し、さらに「デジタルサイネージ」の英語表現を紹介します。

「デジタルサイネージ」の意味

「デジタルサイネージ」とは、店頭や駅の広告などの屋外などで設置される液晶ディスプレイで、映像や音声などのコンテンツを表示するための装置です。デジタルサイネージで表示されるコンテンツを通して、その前を通った人や近くの人はさまざまな情報を知ることができます。
通行人に向けた広告媒体としての活用が多く、設置場所によって街頭ビジョンのような数メートル以上の大きなものから、乗り物に埋め込んだ小型のディスプレイタイプまで大きさもさまざまです。

「デジタルサイネージ」の英語表現は「Digital signage」

「デジタルサイネージ」は英語で「digital signage」と表します。つまり英語の「digital signage」のカタカナ語が「デジタルサイネージ」となります。「digital」は「電子」、「signage」は主に商業用の「看板」や「ポスター」を意味します。
海外でも「デジタルサイネージ」は電気看板の一種として知られています。LCDやLEDを使ったディスプレイにデジタルイメージやビデオ、ウェブコンテンツや天気予報、店頭ではレストランのメニューなどの表示に使われています。

「サイネージ」の意味と「デジタルサイネージ」との違い


「サイネージ」とは商業用の看板やポスターのことで、「デジタルサイネージ」とは電子化されているか否かで区別されます。電子化されていない看板やポスターのことを「サイネージ」と呼び、電子化されたものは「デジタルサイネージ」と呼びます。
しかし最近ではデジタルサイネージの普及に伴い、「デジタルサイネージ」を省略して「サイネージ」と呼ばれることがあります。そのため「サイネージ」という言葉が使われているときに、電子化されていない看板を指すのか、それともデジタルサイネージを指すかは、文脈から判断します。

広告業界での「デジタルサイネージ」のメリットと種類・仕組みとは?


広告業界で活用される「デジタルサイネージ」には「スタンドアロン型」と呼ばれるネットワーク回線が不必要なものと、「ネットワーク型」と呼ばれるネットワーク回線を必要とする2種類があります。そこでデジタルサイネージが広告業界で採用されるメリットと、「スタンドアロン型」と「ネットワーク型」それぞれの特徴と仕組みを紹介します。

「デジタルサイネージ」を導入するメリット

「デジタルサイネージ」はリアルタイムの情報を画像と音声で伝えられる宣伝媒体として活用されています。デジタルサイネージを使った広告のメリットは、主に以下の3つが挙げられます。
① 消費者のニーズに合わせた販促ができる
デジタルサイネージの最大のメリットとして挙げられるのが、デジタルサイネージの前、またはそばを通った消費者に向けて宣伝できること。つまり消費者の訴求に合わせた宣伝対策を行えば、消費者のニーズに応えた広告を打てます。
② 動画による情報配信でたくさんの情報を流せる
デジタルサイネージは動画や音声を流せるので、たくさんの情報を短い時間に発信できます。一つの商品広告でも、商品の解説にとどまらず企業のブランディングなども使い、消費者に訴えかける宣伝効果が期待できます。
③ 情報更新がリアルタイム
デジタルサイネージはコンテンツの入れ替えを一括で更新できるため、常にリアルタイムで新しい情報を提供できます。サーバーでコンテンツを供給できるタイプならば、どこからでも情報を刷新できます。

「スタンドアロン型サイネージ」はオフラインで使用

デジタルサイネージはオフラインで使用する「スタンドアロン型」とオンラインで使用する「ネットワーク型」に区別されます。
「スタンドアロン型」はインターネット接続ができず、表示されるコンテンツは接続されているコントローラーに保存された情報を表示するか、USBメモリーからコンテンツを取り込みます。ネットワーク型よりも比較的安く販売されているため、情報更新は少なくて良い場合にはおすすめのデジタルサイネージです。

「ネットワーク型サイネージ」は更新がスピーディ

「ネットワーク型」はインターネットが接続されているため、サーバーを通して逐一、コンテンツを更新できます。駅構内のデジタルサイネージや大型の商業施設ではネットワーク型が主流です。
遠隔からの操作で新しい情報を提供できる手軽さはネットワーク型サイネージのメリットですが、ネットワーク型サイネージ本体の導入費用はスタンドアロン型よりも高く、刷新するコンテンツ作成のための手間やコストもかかります。

「デジタルサイネージ」の活用事例

「デジタルサイネージ」は私たちの身近なところでも活用されています。デジタルサイネージが活用される事例として、飲食店や病院、イベントの三つの異なる業界での活用法を紹介します。

飲食店やホテルで情報配信をする「デジタルサイネージ」


店頭やホテルのロビーにデジタルサイネージを設置すれば、ゲストにわかりやすく情報を配信できます。レストランやカフェなどの飲食店なら、その日のおすすめメニューをリアルタイムで発信可能。ホテルのロビーに設置すればその日のイベント情報なども発信できます。
デジタルサイネージは単に情報を配信するだけでなく、デジタルサイネージの明るい発光は自然光に負けないほどの明るさがあるため、店頭やロビーを明るい印象にしてくれます。

病院などの医療現場で情報提供する「デジタルサイネージ」


病院や医療施設の待合室で、さまざまなポスターが壁に貼られているのを見た方も多いでしょう。医療機関では予防接種や病気の防止を促す告知などさまざまなお知らせがありますが、雑然としていて患者さんに情報がしっかりと伝わらないと感じたことはありませんか?
デジタルサイネージならディスプレイひとつで、これまで壁に貼っていた告知や検査・疾患の情報をわかりやすく効率的に伝えることができます。またデジタルサイネージの光によって待合室のイメージも明るくできます。

イベントで来場促進するためのツール「デジタルサイネージ」


デジタルサイネージは博物館や美術館などの展示物をわかりやすくゲストに説明するためのディスプレイとしても活用できます。デジタルサイネージの動画や音声を使った情報を提供できる機能を使えば、単なる静止画像を使った説明よりも、より生き生きと臨場感を通して解説できます。
またタッチスクリーンを導入すれば、ゲストが参加できるイベントを開催できます。タッチ操作でイラストを描いたり、ゲストが見たい情報を自ら選んでもらうこともできるため、主催者側とゲスト双方向での交流も可能になるでしょう。
デジタルサイネージを導入することで、これまでのイベントをよりアクティブな演出に変えるだけでなく、集客力の促進につながる可能性があります。

デジタルサイネージで分かりやすい情報配信


ディスプレイを使ってわかりやすく情報を配信する「デジタルサイネージ」なら、消費者のニーズに合わせた情報をリアルタイムで配信できます。飲食店や病院、イベント以外にも、駅や街中でも常にわかりやすく情報を届けられます。デジタルサイネージを利用した広告利用は、今後もさらに広がっていくでしょう。