街中で多くみられるようになってきたデジタルサイネージ。基本的には、業務用の大型専用ディスプレイが使われています。しかし、業務用といっても家庭用のディスプレイとはいったい何が違うのでしょうか?ここでは、業務用大型ディスプレイと家庭用との違い、またその価格帯についてみていきましょう。

業務用ディスプレイとは?普通のテレビと何が違う?


まず初めに、業務用ディスプレイと家庭用ディスプレイ、普通のテレビなどとはいったい何が違うのでしょうか?デジタルサイネージにおけるメリットも紹介していきます。

業務用ディスプレイとは

業務用ディスプレイと一般的なディスプレイは、実は外観的にはそれほど差異はありません。ディスプレイ自体の耐久性や画像の鮮明さ、またデジタルサイネージとして使用するために遠隔コントロールが可能であるなど通常のものより機能性に優れています。業務用として「使い続ける」ということを前提に作られていますので、一般のものより高品質なものが多いです。

家庭用ディスプレイとの違いとメリット

普段、家庭で使う液晶テレビは何時間も続けて使うことはあまりないでしょう。家庭用のディスプレイは家の中で使うことを前提に作られているので、長時間外部に置くようなこともありません。もちろん、表示方法を遠隔コントロールで頻繁に変更することもありませんよね。そのような環境に耐えるよう作られているのが業務用ディスプレイです。家庭用のものをデジタルサイネージとして使うことももちろん可能ですが、機能と耐久を考えれば業務用の方が明らかに使用メリットがあります。

業務用ディスプレイの使用場所は?

業務用ディスプレイは店舗の内部・外部、またはオフィス内など様々な場、様々な用途で使用されます。駅で広告を映し出したり、商業施設のタッチディスプレイとして地図などの表示、または大型のオフィスで共有事項を映し出したりと使い方はどんどん広がっています。

ディスプレイによって、映像が鮮明に映るものや設置や移動の自由度が効くものなど種類も豊富にあり、使用する場所や目的によって検討することが重要です。

業務用大型ディスプレイの価格とサイズの関係


ディスプレイの違いが分かったところで、次はサイズ選びです。店頭や社内など、どこで使用するかによってサイズ感が違ってきます。コンテンツを表示させたときの見え方も違ってくるでしょう。ここではサイズ選びのコツと価格帯を見ていきます。

サイズごとの価格相場

業務用ディスプレイのサイズによる価格相場はいったいどれくらいなのでしょうか?

次項でも取り上げますが、通常、業務用として使われるサイズは32インチ~75インチの間です。使用する場所やどういったコンテンツを映し出すかによってサイズ感が決まってきます。

例えば、32インチのディスプレイの価格帯は約14,000円~300,000円以上とかなり大きな幅があります。一番安価なものを見てみると、ほぼ映像を映し出すだけの機能しか備えていません。リモート管理やコンテンツのクラウド管理などを利用する場合、最低でも40,000円以上のものを購入する必要がありそうですね。

また、55型などになると最低でも150,000円以上の価格帯が多くなります。しかし、最安値のものは遠隔操作ではなくUSBからメモリをつないだ単体管理になるなど、複数のディスプレイを管理するには適さないということもありますので注意が必要です。

重要なのは、価格のみで比較するのではなく、自分たちに必要なサイズと機能を把握し、その中で価格検討をするということです。もちろん、高くて無駄な機能があるものを購入する必要はありません。

デジタルサイネージで重要なサイズ感

では、街中でよく見かける業務用ディスプレイのサイズはどれくらいなのでしょうか?

駅などでよく見かける大型のディスプレイは、おおよそ50~70インチの縦型のものが多いです。遠くからも視認できるよう、大型で映像が綺麗なものが使用されています。

また、個人店などで使われるものは40~50インチのものが主流です。道行く人に効果的に訴えるサイズというのがこのサイズなのでしょう。近寄って見ることがほとんどですので、あまりに大きなものを置く必要性はありません。

他には、店内ポップとしてタブレットサイズのディスプレイを置く店舗もあります。要は、「届ける情報の種類によってディスプレイのサイズを考える」というのが重要になってきます。

適しているディスプレイのサイズ

では、設置する場所や目的によってどのくらいのサイズが適しているか見ていきましょう。

例えば、通路の上部に設置するならどのくらいのものが見やすいでしょうか?この場合、遠くからの視認性が重要になってきますので、20m以上離れたところからも認識できるのが望ましいです。その位置から文字を読もうとするとき、1文字8cm以上の高さが必要になりますので、映すコンテンツとのバランスを考えてディスプレイを選ぶ必要があります。

同じく、タッチパネルのディスプレイなら近くから見ることが多くなりますので、距離感としては4~5m以下で視認されます。その場合、文字高さは2cm以上が妥当な大きさが望ましいとされています。

いずれにせよ、文字情報のあるコンテンツがきちんと視認できるか?が重要となります。

業務用大型ディスプレイは機能によっても価格が変わる


業務用大型ディスプレイには、多くの機能がありますが、商品によって特性が違ってきます。もちろん全ていいとこどりのような機種もありますが、どうしても価格が高くなってしまうもの。ご自身がどの部分を重要視するかを見極めて、価格と機能のバランスを見ていきましょう。

画面が鮮やかなタイプ

画面が鮮明に映るものは、食品や化粧品など、色使いが綺麗に見えるものの広告に有効です。特に飲食店などでは、メニューをおいしそうに見せてくれる色鮮やかなタイプがいいでしょう。また、はっきりとしたコントラストで見やすいのでお年寄りが多い場所にもおすすめです。

サイズにもよりますが、価格帯は40インチで約100,000円からあります。55インチ、高輝度とうたっているもので、有名メーカーのものは100万円以上するものもたくさんあります。サイズ感とシステムなど、費用対効果を考えて導入しましょう。

設置に自由度があるタイプ

スタンド型や壁掛け型が多くみられる業務用ディスプレイですが、設置場所に困ることもしばしば。そんなときは天井から吊り下げたり、あるいは天井や床に埋め込みできるものが有効です。通常のディスプレイでは画面を並行にできませんので、専用のものを購入しなければなりません。

吊り下げは専用金具を使えば多くのディスプレイで可能となっています。あまり気にせず、他の機能を優先で考えるといいかもしれません。一方床や天井の埋め込みだと40インチで約13万~、50インチで約19万~となっています。

パソコンなどがなくても単体で機能するタイプ

ディスプレイをいくつも管理する場合、すべてを一括で管理するためにパソコンやシステムの導入が必要です。しかし、「ひとまず単体で使いたい」という場合はコントローラー内蔵のディスプレイを購入するといいかもしれません。

動画や静止画などのコンテンツをフラッシュメモリに保存、それをディスプレイにつなぎ、画面上のメニューで設定しておけば手軽に運用ができます。一括コントロールするものより安価になっており、42インチで約70,000円~とより手が届きやすい価格帯になっています。

業務用大型ディスプレイ選びは機能に見合った価格のものを!


業務用の大型ディスプレイは、用途によってさまざまな機能がついています。もちろん、サイズ感も使用する場所によってかなり差が出るでしょう。ご自身が使う目的、場所、またコンテンツ内容に沿ってサイズを選ぶことが重要。どこを重要視するかに基づいて、価格の比較検討を行うとよいのではないでしょうか。