企業の製品紹介など各種展示会で、デジタルサイネージを見ることも多くなりました。動画や静止画のディスプレイ表示は、紙のポスターよりもアピール度が高く、インパクトがあります。しかし、ただデジタルサイネージを設置しただけでは他ブースと見劣りしてしまうことも。来場者の目に留まり、見せたいものを見せられるデジタルサイネージとは?活用のポイントやアイデアの事例を紹介します。

マルチディスプレイで迫力の大画面

複数の組み合わせで違いを演出

展示会でデジタルサイネージを目立たせるには、何よりもまずは「大画面」。普段は目にしないような大きなディスプレイの設置が来場者にも有効になります。例えば55インチの液晶マルチディスプレイを縦横に2機ずつ組み合わせ、4面として使用するだけでも相当な迫力が出るでしょう。

スペースや予算に余裕があるなら、縦横3機ずつで9面、縦横4機ずつ16面の組み合わせなら、人の背丈よりも大きなサイズでのアピールが可能になります。映像の中身を充実させるのはもちろん大事ですが、せっかく凝りに凝ったコンテンツを作っても来場者の目を引かなければ意味がありません。デジタルサイネージの大きさは、展示会での重要ポイントです。

LEDビジョンも存在感は抜群

圧倒的輝度を誇るLEDビジョンも来場者の目を引き付けます。液晶ディスプレイと比べると値段は多少張りますが、屋内、屋外を問わず、太陽光線の下でも見え方はほぼ変わらないのは魅力です。

LEDはサイズを仕様に応じて自由に変更できます。デジタルサイネージのサイズの比率は大方が16対9ですが、LEDは正方形サイズのモジュールの組み合わせ。会場の雰囲気や目的に合わせて適切なサイズを構成できます。

また、現在は空間演出の幅をさらに広げる透明LEDも注目されています。透過率は85パーセント程度。ビジョンを設置しても環境の光を遮らないのでブースの手狭感も最小限となります。ロマンティックな映像も実現できる利点もあり、演出の幅は今後もまだまだ広がっていくでしょう。

自社アプリをデジタルサイネージで

自社アプリを大画面でデモンストレーション

十分に人目を引く大きさのデジタルサイネージを選んだら、その次はコンテンツの充実を図りましょう。最近の展示会で流行しているのが、デジタルサイネージを「大きなスマホ」として活用すること。デジタルサイネージのAndoroid搭載モデルなどは、スマートフォンと同じように表示したり操作することが可能です。

自社アプリをデジタルサイネージに組み込んで、来場者はタッチパネルでプレイし使い勝手を確認。こうしたデモンストレーションもメニューに組み入めれば、展示会を大いに盛り上げることでしょう。

展示会限定のゲームアプリ制作も

アプリなどを取り扱っていない企業でも、展示会用にオリジナルのゲームを作り、来場者に遊んでもらい好評を博している例もあります。簡単なゲームアプリの制作なら、対応してくれるデジタルサイネージの設置業者も増えてきました。

商品や製品に関した内容のゲームを作って高得点者に特典を付けるなど、来場者に楽しんでもらうアイデアは無限にあります。デジタルサイネージを「大きなスマホ」に見立てて活用すればブースに活気を与え、来場者には自社ブランドに親近感を持ってもらう有効な手段となります。

1台設置ではアピール不足?レンタルもお手軽

もはや定番のデジタルサイネージ

展示会でデジタルサイネージが定番となってきた分、1台だけの設置で同じ映像を繰り返すだけではアピール不足となるのは否めません。特に複数の企業が集まる展示会なら、大画面のデジタルサイネージでなければ、自社ブースが目立たず埋もれてしまう場合もあるでしょう。展示会の出展は多額の費用が必要なことが多く、きちんと結果に繋げたい企業は多いはずです。

レンタルならコスト減も可能

大画面のデジタルサイネージを実現するには、費用も多額になります。展示する期間が長期にわたったり、今後も頻繁に使う予定があるならディスプレイや付属機器を購入した方が安くあがりますが、使用する期間が展示会だけなど限定されているのであれば、レンタルがおすすめです。今はレンタル費用もずいぶんと安くなっており、レンタルの方がコスト減となる可能性は高いです。

55インチ液晶マルチディスプレイを16面組み合わせる超大型のディスプレイを作るには、1日100万円前後のレンタル料がかかりますが、4面組み合わせだと1日20万円程度で済む場合もあります。レンタル価格は本体同様に業者によって開きはありますが、液晶マルチディスプレイよりも効果的なLEDビジョンも、現在はレンタル用スタンドの発達で設置や撤収なども容易となり、こちらもお手軽な料金へ近付いている傾向にあります。

最新技術が続々登場「デジタルサイネージジャパン2019」

8Kビジョンや超高精細LEDディスプレイも

2019年6月に千葉・幕張メッセで、国内外のメーカーが集結した最新技術の展示会「デジタルサイネージジャパン2019」が開催されました。ここではデジタルサイネージの新たな活用方法や可能性も幅広く提案されています。

70インチ×16面マルチディスプレイによる8Kビジョンを展示しているメーカーもありました。その大きさと鮮やかな映像だけでも迫力十分ですが、5Gを利用してのリアルタイム伝達実験が行われる場面もあり、将来の5G整備へ向けたデジタルサイネージのアイデアの広がりも楽しみな展示となりました。

またLEDディスプレイも「超」が付くほどに精密で美しい映像が可能なレベルになりました。LEDは液晶ディスプレイと比べると解像度が低い分、画質は劣るイメージもありましたが、光源サイズの小型化を実現したLEDディスプレイも今回の展示会で登場。LEDの利点である高輝度、高コントラストに高画質も加わり、こちらも急速な技術の進歩を感じさせます。

3Dや電子ペーパーなどユニークな展示も

3D映像を浮かび上がらせて見せるデジタルサイネージにも注目が集まりました。3Dと言っても特別なメガネやゴーグルなどを使うわけではありません。LED光源がライン状についたブレードを高速回転。残像を利用しながら、まるで浮遊しているように見える映像を表す技術で、大きなアイキャッチ効果につながるのは間違いありません。

電子ペーパーを使ったデジタルサイネージも、将来の活用へ期待が膨らみます。バックライトなしでも映像の表示が可能なのが電子ペーパーの利点。災害で停電が発生した場合など電源供給が難しくなった時や、エコロジーな存在としても、電子ペーパーのデジタルサイネージは将来的にはクローズアップされることになるでしょう。

デジタルサイネージで唯一無二をアピール


展示会でデジタルサイネージを有効活用するアイデアは、今後技術の進化でますます幅は広がっていくはずです。大画面のデジタルサイネージを導入するのは基本になりますが、それ以外にも開拓する余地はあります。最新の技術と照らし合わせながら、唯一無二の活用法に巡り合う可能性も。最近はレンタルも安価になっているので、アピール度の高いデジタルサイネージを味方に付けて、展示会の大成功を目指しましょう。