最近よく「IoT」という言葉が見聞きされますが、「IoT」とはどんなもので、どのようなことができるのでしょうか。また「IoT」をデジタルサイネージで活用できるのでしょうか。この記事では「IoT」の基本を解説するとともに、IoTを活用したデジタルサイネージの活用法や活用事例をご紹介します。

「IoT」とは?

「IoT」は最近注目されている通信機能。ここでは「IoT」の基本として、「IoT」の読み方やIoTの機能、利用目的や活用事例などを解説します。

IoTはモノとモノをインターネットでつなぐ

「IoT」の読み方は「アイオーティー」で、”Internet of Things”の頭文字を取った略語です。モノとモノをインターネット回線によって結びつける仕組みのことを指します。

モノとは、デジタルカメラやHDD+DVDレコーダー、スマートフォン、デジタルオーディオプレーヤーなどのデジタル機器のことで、そうしたモノ同士をインターネット回線でつなぐと、画像や音声、テキスト文書などをあらゆるデジタル情報をモノとモノの間で送信できるようになります。

IoTの利用目的はデータ収集やコントロール

IoTのさまざまある使用目的のうちの一つは情報収集です。職場や街中、家の中の様子をカメラやセンサーなどを使い対象のデータを収集します。収集されたデータの分析結果から問題を見つけられることもあれば、新たな事業へと展開するかもしれません。

またIoTによりモノの遠隔操作も行えます。家の外にいながらエアコンのスイッチを入れるといった簡単な操作から、温度調整を含めた細かな操作もできるようになるでしょう。

IoTを活用した事例

ここではIoTのさまざまな活用事例を見ていきましょう。

  • モノの制御:外出中に、ふと家の電気を消したかどうか不安なったことはありませんか。IoTを活用すれば、家電の消し忘れをチェックできます。
  • モノの動きの把握:IoTを活用してモノの状態を確認できます。例えば工場の機械が正しく稼働しているかどうか、または機械などが転倒や落下していないかなどを確認します。また介護の現場では、要介護者の離床や転倒などの確認します。
  • 状況や環境の把握:家やオフィス、工場、病室などの温度や湿度、騒音などを離れた場所から確認できます。
  • ペットの位置:ペットの首輪に内蔵されたセンサーにより留守中のペットの位置を把握します。飼い主の代わりに餌をやる給餌器、カメラ機能が付いた給餌器ならペットとコミュニケーションを取れます。

「IoT」が注目される理由

「IoT」が注目される理由は、デジタル技術の発展により、デジタル機器に使用される部品は性能が上がりながらも小型化され、加えて市場価格も安くなったことが挙げられます。さらにスマホやパソコンはすでに多くの人が持っている時代に。次世代のサービスとしてIoTは注目されています。

また設備や機械の情報収集をIoTによって行い、人は見つかった問題に対処するといった業務の仕分けをすれば、将来の人手不足の解消にも役に立つと考えられています。

IoT×デジタルサイネージで何ができるのか

モノとモノをインターネットでつなぐIoTを活用すると、デジタルサイネージで何ができるようになるのでしょうか。ここでは、IoTとデジタルサイネージを連携させた際の活用方法を紹介します。

スマホと連携してコンテンツを楽々更新

従来のデジタルサイネージではUSBまたはネットワーク経由でコンテンツを更新していましたが、IoTを活用すればスマホでコンテンツを更新できます。デジタルサイネージの更新ソフトウェアをスマホにインストールすれば準備完了。いつでもスマホからデジタルサイネージへコンテンツを送信できます。

スマホでコンテンツを更新できるメリットは、スマホでの操作なので簡単なうえに、スマホに保存されたデータをコンテンツとして利用できること。スマホで書いたテキストやスマホに保存されている画像をそのままコンテンツとして利用できるので、更新する手間を削減できます。

カメラやセンサーを通して情報収集

デジタルサイネージに取り付けられたカメラやセンサーを使えば、デジタルサイネージの前を通った人の情報を集められます。デジタルサイネージの前で見ていた人の性別や体型、サイネージ前を通過した人数、さらに通過した人の動線も計測できます。

ただし通行人の情報収集は個人情報となり、特に顔が認識できるデータはプライバシーの侵害になります。

個人情報の取り扱いについては、経済産業省、総務省およびIoT推進コンソーシアムによってガイドラインが策定されています。「カメラ画像利活用ガイドブックver2.0」(平成30年3月30日公表)が公表されているので、個人情報はこのガイドブックにある規定に基づき利用しましょう。

SNSと連携してよりアクティブなコンテンツを展開できる

IoTの応用的な使い方として、SNSと連携した活用法があります。SNS上に投稿されたコンテンツをそのままデジタルサイネージに流せるので、SNSとデジタルサイネージでリアルタイムの情報を配信できます。

またデジタルサイネージのディスプレイで撮影した画像をSNSにアップロードするといった相互活用もできるので、デジタルサイネージがより親しみやすいデバイスになるでしょう。

IoTを活用したデジタルサイネージ事例とは

IoTによりデジタルサイネージを実用的に活用させた事例として、ここでは、オフィスでの活用例、商業施設のレストランフロアでの活用例、最後にプロモーションを促進するための活用例をご紹介します。

情報共有で業務の効率化を図る

オフィスでのIoTを使ったデジタルサイネージの活用事例には、会議室の利用状況のチェックがあります。予約が入っているのに実際には使われていない会議室のから予約を解消します。会議室に設置されてあるデジタルサイネージで状況を確認して、空いている会議室が利用できるようになります。

また会社の受付にデジタルサイネージを活用すれば、受付のコスト削減に。受付担当者の代わりデジタルサイネージを設置して、来客が来た時にだけ社内にいる受付担当者が対応します。

レストランの空席情報の案内をする

商業施設のレストランフロアの入り口にデジタルサイネージを設置してレストランの空席情報や予測される待ち時間を表示します。ゲストは一目で行きたいレストランの空席状況をわかるので、ゲストにとって親切な情報案内ができます。

このようにデジタルサイネージを活用すれば、やっとたどり着いたレストランの長蛇の列にがっかりするということもなくなるでしょう。

デジタルサイネージを使ってプロモーションを促進

IoTを活用したデジタルサイネージでは組み込まれたカメラでディスプレイ前のゲストを撮影し、その画像をすぐその場でコンテンツに取り込む遊びを提供できます。また、デジタルサイネージの画面をタッチスクリーンのように操作するとクーポンがもらえるといったゲーム感覚のコンテンツもあります。

このようにゲストが参加できるプログラムなら、ゲストもつい足を止めてしまうでしょう。

デジタルサイネージはIoTを使えば、従来のデジタルサイネージのようにただ情報を発信するだけでなく、ゲストとの交流もできプロモーション効果も促進されます。

IoTはデジタルサイネージを活性化させる!

デジタルサイネージだけでも十分インパクトを与えることのできる宣伝機器ですが、IoTを導入すればさらにコンテンツを簡単に更新でき、実用的になります。IoTの使い方次第で、デジタルサイネージはより面白く身近なものに変えられるのではないでしょうか?