掲示板をデジタルサイネージに置き換えるマンションが増えてきています。「うちのマンションでも導入してみたいけど、どのように活用したらいいんだろう」とお悩みの管理者の方も多いのではないでしょうか。今回はマンションでのデジタルサイネージの導入事例や導入のメリット、導入の際の注意点を解説します。

デジタルサイネージ導入のメリット

マンションにデジタルサイネージを導入することで様々なメリットがあります。デジタル化されることで従来の紙の掲示板ではできなかったことができるようになります。主なメリット3つを詳しくご紹介します。

重要な情報がしっかりと届く

従来の紙の掲示板では、スペースに限りがあって必要な情報を十分に掲示できなかったり、情報を詰め込みすぎて文字が小さくなり、居住者が見過ごしてしまって大事なお知らせを見過ごされてしまうことが少なくありませんでした。

デジタルサイネージを活用すれば、ディスプレイにスライドショーや動画を映し出すことができるので、限られたスペースでもたくさんの情報を分かりやすく伝えることができます。また、文字を大きくする、カラー文字にする、文字に動きをつけることも可能なので、居住者の目に留まりやすくなり、大事なお知らせもしっかりと届けることができます。

管理の手間が省ける

紙の掲示板では、お知らせを作成して掲示板に貼る手間がかかります。大規模なマンションでは掲示板の数も多く大変な労力がかかりますし、お知らせの期限が切れたり、情報に間違いがあったり、新たな情報を加えるときは都度張り替えなければなりません。

その点、デジタルサイネージではコンテンツを作成したらPCで一括配信ができるので、いちいちお知らせを張り替える必要がなくなります。一括管理が出来るので、お知らせの期限の管理も簡単。修正や変更がある場合もスピーディーに差し替えることができます。

広告収入が得られる

デジタルサイネージは居住者層に特化した広告を配信することで高い費用対効果が見込めるので、広告主にとっては魅力的な広告媒体の一つです。高級分譲マンションであれば世帯の過半数が年収1000万以上の高所得者層になるので、属性のよい高所得者層へのダイレクトアプローチができる媒体です。

デジタルサイネージに広告を配信し、広告収入を得られるのはマンションのオーナーにとっては嬉しいメリットです。うまく活用できれば、バナー広告での収益化を実現することもできます。紙のお知らせでは広告収入は一切発生しないので、デジタルサイネージならではのメリットと言えます。

デジタルサイネージの活用事例

デジタルサイネージは従来の掲示板の代わりとしてだけではなく、外部情報やツールと連携させれば様々なことに活用できる可能性が広がります。活用事例の一部をご紹介します。

エネルギー管理システムとの連携

高圧一括受電サービスなどでHEMS(Home Energy Management System)のようなエネルギー管理システムを採用していればデジタルサイネージと連携させてマンション全体の電気使用量を確認できます。
デジタルサイネージを活用して、HEMSの情報を分かりやすく伝えるコンテンツを作成すれば居住者にエネルギー管理の意識が生まれ、節電につなげられます。

犯罪情報や防災情報をリアルタイム配信

マンションの不審者や近隣の犯罪情報、地震速報などすぐに知りたい情報もリアルタイムで流すことができます。居住者が安心で快適に暮らせる環境づくりにもデジタルサイネージは活用できます。

防犯カメラの映像をコンテンツに使うことができるので、マンションの不審者やマナー違反の画像を流すことで情報の訴求力が増します。また、緊急地震速報とデジタルサイネージを連携させれば、地震の際に避難を促すお知らせを流すこともできます。

管理会社との連絡ツール

AIによる音声対話システムや問い合わせフォームを導入すれば、居住者が管理会社との連絡ツールとしてデジタルサイネージを活用することもできます。ちょっとした質問でも管理会社に電話やメールをする必要がなくなります。

また、アンケートや必要書類提出をデジタル化すれば、管理人が居ないときでも居住者の都合がよいときに提出ができるので利便性が上がり、満足度の向上にもつながります。

デジタルサイネージ導入のポイント

デジタルサイネージ導入にあたって知っておかなければならないこともあります。重要なポイントを3つ解説します。

まずはレンタルではじめてみよう

デジタルサイネージ導入の方法には大きく2パターンあります。買取での導入とレンタルでの導入です。

買取で導入する場合はあらかじめ必要な機器をすべて買いそろえなければなりません。標準的な43インチ~55インチ屋内用ディスプレイだけでも最低10万円はかかり、そのほかセットトップボックスやCMS、工事費用、コンテンツ制作費なども合わせると初期費用で数十万円は必要です。効果や運用のイメージが持てない中で数十万の費用はなかなかハードルが高いですよね。

その点、レンタルであれば月数万円でデジタルサイネージを導入できます。レンタルでまずはデジタルサイネージの効果や運用のイメージをつかんだ上で、長期で導入したくなったら買取での導入に切り替えるのがおすすめです。

故障に注意

デジタルサイネージの最大の弱点は故障です。ディスプレイやセットアップボックスが故障してコンテンツが映らないと何の役割も果たせなくなってしまいます。ほこりやごみは機器の故障の原因になるので、こまめな掃除が必要です。

また、レンタルで導入している場合でも初期不良以外の故障は有償での修理の場合が多いです。修理費用や修理の方法に関してもあらかじめ確認しておきましょう。

継続的なコンテンツ作成が成功のカギ

デジタルサイネージを居住者にしっかり見てもらうためには、定期的にコンテンツを更新し続ける必要があります。ずっと同じコンテンツばかり配信していると居住者が飽きてしまい、デジタルサイネージを見なくなってしまいます。

コンテンツは自作することも外注で業者に頼むこともできます。コンテンツを外注する場合は費用対効果を見ながら適切な発注が必要です。自作すれば経費を抑えることができますが、思い通りのコンテンツを作るためにはある程度の知識が必要です。自作をするのであれば定期的に魅力的なコンテンツを作ることができるのかをよく見極める必要があります。

デジタルサイネージで管理会社も入居者もハッピーに

マンション向けデジタルサイネージの技術はどんどん発達しています。従来は大型の分譲マンションへの設置への設置がメインでしたが、最近では賃貸マンションへ設置することも増えてきました。

デジタルサイネージは一方的に情報を掲示するだけでなく、居住者側から情報を入力してもらって双方向のコミュニケーションができます。また、デジタルサイネージを単なる掲示板の代わりではなく、住民同士のコミュニティ形成にも役立てることができます。例えば共用施設の利用案内やイベント、サークルの運営に活用するといった使い方が考えられます。

管理会社だけでなく居住者にとってもメリットがあるデジタルサイネージの導入をぜひ検討してみてください。