店舗やオフィス、商業施設や自治体などさまざまな場所で活躍しているデジタルサイネージ。オリンピック前に導入が進んでいることもあり、大手企業だけでなく中小企業や自営業店舗でも導入を始めるところが増えています。デジタルサイネージ導入を成功させる3つのカギと、参考にしたい効果的な事例をご紹介します。

デジタルサイネージ導入のメリット


ここ数年で街中でも見かける機会が増えたデジタルサイネージ。オリンピックを前に急速に普及していくことが予想される広告ツールですが、各業界で導入が進む背景にはデジタルサイネージが持つ4つのメリットがあります。

視認性が高い

紙のポスターや広告と違い、ディスプレイを使用しているデジタルサイネージは画質が良く明るいので視認性が高いというメリットがあります。広告は街ゆく人の目に止まることが何よりも大事。紙媒体の広告よりも視認性が高いデジタルサイネージならより高い宣伝効果が期待できます。

動画や音声なども発信できてインパクトがある

デジタルサイネージは静止画の切り替えはもちろん、動画や音声なども放映可能。静止画だけの情報に比べると動画や音声の情報はインパクトがあります。店舗や商品のイメージを伝える際に静止画だけでは伝わりにくかった部分も、動画であれば分かりやすくブランディングにも効果的です。

タイムリーに情報発信ができる

ポスターや紙の広告を作る場合は印刷の時間がかかりますが、デジタルサイネージの場合はコンテンツを作ればすぐにでも放映できます。タイムセールや特売情報などタイムリーに発信したい情報を的確なタイミングで発信できるので、集客、販促に効果を発揮します。災害時などの緊急時は災害関連の情報を放映するなどのニーズに合わせた柔軟な対応も可能です。

ペーパーレス、人件費削減の効果がある

デジタルサイネージは環境保全にも役立ちます。今後世界的に環境保全に取り組むことは急務であり、日本企業も例外ではありません。紙の広告やポスターをデジタルサイネージに切り替えればペーパーレス化を進めることが可能です。また、ポスターの貼り替えや案内係として必要だった人件費の削減にも繋がります。

デジタルサイネージの効果を上げる3つのカギ


デジタルサイネージ導入にあたって効果の面で不安がある場合や、導入後になかなか思った効果が得られていないという場合は以下の3つのポイントを確認してみましょう。

導入前後の「効果測定」

「効果測定」とはデジタルサイネージを設置した場所の混雑度や注目度など、運用に関わる様々な情報が得られるシステムのこと。時間帯・性別・年代別にどれくらいの人がデジタルサイネージに注目していたかがはっきりと数字でわかるので、コンテンツをどの時間帯にどれくらい放映すれば良いのか、スケジュールを立てる上で非常に便利です。

効果測定は導入前に設置場所の混雑状況などを確認する上でも有効。社内に向けてデジタルサイネージ導入のメリットをアピールしたいという時に予測ではなく実測値としての数値には説得力があります。設置前後で測定すればどれくらい効果をあげることができたのかがはっきりとわかりますね。

また、効果測定はデジタルサイネージ以外の様々なプロモーションでも活用可能。人間の目では測ることが難しい顧客の興味を正確に測るツールとして活躍します。

ただし注意点も。効果測定はカメラに映像を撮ることになるので、設置場所によっては肖像権やプライバシーの侵害に関わる場合もあります。映像がシステムに保存されずすぐに廃棄される効果測定システムを使う方が安心です。

測定結果をもとにした計画的なコンテンツ配信

効果測定による結果を反映してコンテンツ配信スケジュールを立てましょう。例えば、ランチタイムにOLの注目度が高いのであれば、旅行やバーゲンの案内コンテンツを流すことでより効果が期待できます。夕方の時間帯に主婦の注目度が高いのであればスーパーの特売についてのコンテンツやパート案内など主婦向けのコンテンツを流すことで、より広告の効果を高めることができるでしょう。
不特定多数の高い効果を得るためには、幅広いターゲット層に向けたコンテンツを配信するよりもターゲット層を絞ったコンテンツを的確に相手に届けることがポイント。その点で効果測定は必要不可欠な調査と言えるでしょう。

ターゲット層にピンポイントに届けるならインタラクティブ型も検討

もっとターゲット層を絞ってピンポイントに届けるならインタラクティブ型のサイネージも検討しましょう。インタラクティブ型といえばタッチパネルタイプのデジタルサイネージをイメージする人が多いですが、最近はAIやAR、SNS連携機能など様々な最新技術を導入したものが登場しています。

例えば、顔認証システムのあるデジタルサイネージならディスプレイの前に立っている人の性別や年代を判断して、豊富なコンテンツの中からターゲット層のニーズにあるコンテンツを自動で編集、放映してくれるなども可能。今まででは考えられなかった個人に向けての的確な広告宣伝が可能です。

デジタルサイネージは、導入して満足するのではなく導入後の運用をニーズに合わせて適宜見直しすることが大切。デジタルサイネージを販売する企業は多くありますが、導入後の運用サポートも含めて安心できる企業を選びましょう。

空間演出も!デジタルサイネージの効果的な活用事例


デジタルサイネージ導入後の運用に関しては効果測定を活用した運用見直しが有効ですが、デジタルサイネージ導入時にも効果を上げるために考えておくべきポイントがあります。コンテンツスケジュールを最適化する以外の方法で、デジタルサイネージを効果的に運用する方法として注目すべき海外の2つの事例をご紹介します。

【オフィス】壁一面のサイネージで企業認知度向上

オフィスにデジタルサイネージを導入する場合、多くはエントランスにディスプレイを設置して企業のイメージコンテンツを放映したり、各階の案内情報などを放映することになるでしょう。

しかし、あるオフィスではエントランスの壁一面もディスプレイで覆い、デジタルサイネージとして活用しています。さらに、そこで流すコンテンツは滝や森林といったリアルな大自然の映像。リアルだけれど不快感を与えない自然の映像が来客の感動を誘い、SNS等で話題になることでオフィスに足を運ぶ人が増え、企業認知度が向上しました。

【店舗】複数のディスプレイで空間を飾る

ある商業施設で話題になったのが「フクロウの木」と呼ばれるデジタルサイネージによる空間演出。エントランスの大きな木をクリスマスのオーナメントのように複数のデジタルサイネージが飾られています。

各ディスプレイにはイベント情報や各フロアのセール情報から天気に関する情報まで、様々なコンテンツを放映。ディスプレイを使った演出は平面的になりがちですが、立体的にディスプレイを使うことで話題となりました。

上記の2つはただ広告を表示するだけでなく、空間演出を含めた活用が顧客に感動を与えて企業認知度向上やブランディング効果をもたらすという事例です。

様々な宣伝方法がありますが、良い意味で話題になるものを提供することができればその情報は個人のSNS等を通して一気に広がってゆく時代。デジタルサイネージをより効果的に運用するのであれば、空間演出も含めた運用方法を検討してみましょう。

ターゲット層を意識した計画的なサイネージ運用で効果アップを


デジタルサイネージの効果を上げるためには導入前だけでなく導入後の運用の見直しが欠かせません。効果測定システムを利用してターゲット層と時間帯を正確に把握し、インパクトのあるコンテンツを計画的に放映すること。そして、企業認知度向上には話題になることも大切です。空間演出も含めて効果的な運用を検討しましょう。